2013年3月30日土曜日

(日本映画・男優編)
南原宏治(1929~2001)
俳優には変わった経歴の人が多いが
此の俳優も数奇な運命を辿っている。
生まれは刑務所の中・・・と云うと前科者の子供の様だが
父親が横浜の刑務所長をしていたというだけである。
戦前、学徒動員で中国に渡り、戦後、東大農学部中退で
大映ニューフェースに。芸名は船上爽
しかし大映では芽が出ず、東映に移籍、南原伸二と改名
片岡千恵蔵の多羅尾伴内や警視庁物語などのシリーズで活躍したが
独立プロの「異母兄弟」に出演した事で,当時の五社協定に触れ
東映を退社,有馬稲子の推薦で”にんじんクラブ”に所属
再び芸名を南原宏治と改める。
その独特の風貌と個性を生かし狂気を含んだ悪役を得意とする
性格俳優として「ゼロの焦点」「十一人の侍」「殺しの烙印」と
日本映画の名作に現代劇、時代劇を問わず活躍した。
私の記憶に残っているのは
「座頭市・破れ唐人剣」の怪僧、「修羅雪姫・恨み恋歌」の殺し屋
まあ私好みの怪優列伝に入る人だ。

詳しくは知らないが晩年,某宗教の広報担当の様な事もやっていたらしい。
小川知子女史の様に表に出なかったのは
彼の一般的なイメージが演じた役のせいで良く無かったからだろう。
余談だが、ウチの近所に良く似たホームレスが居て
彼は脳を冒されているらしく絶えず首を振って歩いていたので
近所の人は”首ふる南原宏治”と呼んでいた。
最近,見かけ無くなったがどうしたんだろう?

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