2013年1月4日金曜日

2013.1.4 NEWS
今日は今,長い休養に入った竹下佳江について話したい。
いずれ、彼女の名前は日本女子バレーの歴史を語るとき
”世界最小、世界最強のセッター”の呼び名と共に
伝説のセッターとして人々の記憶に強く刻まれるだろう。
竹下佳江(セッター)
彼女の身長159cmはセッターとしてはハンデそのもの
相手のアタッカーの標的とされ、彼女の頭上には
試合中、強烈なスパイクが幾度も打ち込まれる。
それでも全日本で彼女に勝るセッターは居なかった。
オリンピックは2004年のアテネから出場、
去年のロンドンで、銅メダルを取るまでの軌跡は
まさに茨の道。
2001年はシドニー・オリンピックの出場権すら得られなかった
責任を、”背の低いセッター”のせいだと取らされ
傷ついた彼女は一時は引退を決意、
ハローワークへ介護士になるべく通ったと云う。
それでも彼女の才能を信じる監督のオファーに
心を動かし、当時、女子バレー選手では初めてプロとして
JTと契約、その後、世界選手権では大会MVPを受賞した。
そして、何度もの怪我にもめげず
全日本の揺るぎないセッターとして数々の名勝負に
絶対の司令塔としての戦歴を残し
遂には日本女子バレーに28年ぶりのメダルをもたらしたのは
皆さんもご存知だろう。

彼女の凄さは、その頭脳的なトス裁きは勿論だが
それ以上にレセプションでの感の良さ。
リベロの佐野と同じように何時の間にかボールの下に入っている。
或るバレボール分析家が、佐野は”ボールを呼んでいる”と。
男子バレーと同じくバンチ・ブロックというのが今の女子でも主流だ。
前衛に3人並んだ場合、後衛は二人だけで
守らなくてはいけない。
それは幅のあるコートでは大変難しい事だ。
それで相手のスパイクのコースを、”読む”のではなく
ワザと隙間を空け、そこに打たせる。
つまりボールを”呼ぶ”ワナを仕掛けるのだ。
そうして”呼んだ”ボールはディグし易い!
簡単なようだが、それは相手スパイカーと
自分との駆け引き、高いレベルの騙し合いだ。
此れを佐野と竹下は組んでやっていた。
こんな事を出来るセッターが他に居ただろうか?

そして彼女の持ち味は味方のアタッカーそれぞれに合わせた
精密な高さ&スピードのトス。
此れは今トルコのセッター、ナズの荒いトスに
苦労している”サオリン”こと木村沙織が
改めて竹下のトスの素晴らしさを感じているはずだ。

そして彼女の精神面の強さを象徴するのが
190cmクラスの外国人選手と159cmの彼女のネット上での押し合い。
それにセリ勝ってしまうのは彼女の執念以外の何ものでもない。
それを続けてきた”気丈な女”が竹下なのだ。
彼女も今や35歳。
本当に、長い間、頑張ったね、お疲れさまでした。
でも、ゆっくり休んだら、又コートに戻って来て!
世界には貴女以上のオバさん選手やママさん選手も沢山居るんだから。


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