2012年8月22日水曜日

ジョージア・オキーフ
画家の人生は普通では無いから面白い。
だから私は画家を題材にした映画を"画家の人生"と名付けて
コレクションしている。
「カラバッジョ」「モジリアーニ」「クリムト」「ポロック」そして
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」等
此の作品はオキーフと、その絵を世に出した画商の物語。
アメリカの現代絵画では有名な此の女性が
如何にして世に出る事になったかを描いている。
いち早く彼女の才能に目をつけた画商はカメラマンでもあり
彼女のヌードまで含む個展をして絵に付加価値を付け売り出す。
(彼女の作品と実像がダブルのは、そのせいか?)
此の画商に英国のジェレミー・アイアンズ。
ルイ・マルの映画「ダメージ」で息子の恋人まで奪う役を
演じた此の個性派俳優は、此の映画でも
妻子が有りながらオキーフと関係を持ち
彼女と再婚しても更に人妻と不倫するという無軌道ぶり。
しかし画商としては「絵は高く売れてこそ芸術になる!」と
言い切る画商として才覚はオキーフを天国と地獄に彷徨わせ、
その試練が又オキーフのイメージを膨らませたかの様である。
オキーフを演じたのはマット・デーモン主演の”ボーン”シリーズで
非情なC.I.Aの上役を演じたジョアン・アレン。
オキーフ役に彼女は美人すぎるかと思ったが
長いキャリアで、芯の強そうな演技と自然に老けて行くメイクは
彼女をオキーフそのものにして行った。
私の中でジョージア・オキーフは
メキシコの女流画家フリーダ・カーロと重なる部分がある。
どちらも男で苦労しながら、それをエネルギーに変えて
作品に反映させる処だ。そして自然を絵のモチーフに取り込んで
まったく別のイメージに昇華している凄さだ。
巨大なカンバスに描かれた官能的な花や
動物(オキーフの場合は骨だが)は
都会(現代)と砂漠(原始)の対比、
そして男と女の距離を表現している様にも感じられた。
映画の冒頭でオキーフは
”私の言葉は信じ無くてもよいが、
絵から感じられるもの、それが全てだ”
と語っている。

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