2012年5月29日火曜日

喜劇・東京ものがたり
先日BSで再放送していた此のドラマは演出・久世光彦
昔、観た記憶があるが改めて鑑賞。
まず向田邦子亡き後、久世ドラマの脚本を一手に引き受けた感の有る
金子成人の出来が良い。
戦前・昭和の匂いをプンプンさせた風景描写は演出・久世の、お手の物。
それに登場する人物の顔ぶれが、此れ又、ピッタリのキャスティング
・・・というか、それぞれの役者に合わせた”アテ書き”だろう。
まず自分の料亭を再興しようとしている女将に森光子。
その放蕩息子に小林薫。
彼が大阪に板前修業に行っている間にデキてしまった女に藤山直美。
その女が息子を尋ねて上京してくる処から此のドラマは始まる。
父親・寛美ゆずりの舞台で鍛えた藤山直美と、「びっくり捕物帳」で
関西芝居に慣れた森光子のボケとツッコミの掛け合いは迫力があり
久世が自分でやっていた「時間ですよ」「寺内貫太郎」の比ではない。
そして戻って来た息子・小林薫の芝居も状況劇場出身らしく
カリカチュアされて面白い。
此の頃の小林薫は若くて粋で女たらしがよく似合う。
そこへ敵役で登場するのが柄本明。
コイツが借金取りで大阪から小林薫を追って来たという設定。
その東京乾電池の舞台の時の様な癖の有る小芝居が
此れだけの芸達者たちを相手に画面をさらう。
此の頃から柄本明は凄かった。
それぞれの登場の仕方、メイクや衣装の面白さの切れ味の良いコト。
全てを解って役者を遊ばせていた久世の演出力には唸ってしまう。
柄本明をボロボロにして追い返し、小林薫に愛想をつかした
森光子と藤山直美の姑嫁が抱き合うラストの落ちも良く効いて
久しぶりに笑って泣けた。
もう、こんな昭和を描ける演出家も役者も
どんどん居なくなるんだとシミジミ・・・。







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