だいぶ前から気になっていた彼の遺作「心の指紋」をやっと観れた。
イタリア系アメリカ人監督としてCMで実力は評価されていたものの
彼のデビューはクリント・イーストウッド とジェフ・ブリッジス共演の
世代の違う男二人のロード・ムービーは出来が良く、今でも好きな映画だ。
その後デ・ニーロ主演「ディアハンター」でオスカー監督賞を得て
その勢いで史上空前の大作「天国の門」で興行的に失敗し、
制作会社を倒産させハリウッドから追放された。
それをイタリアのプロデューサーのディノ・ラウンティスが
ミッキー・ロークとジョン・ローンの「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」で
復活させ、大ヒットして名誉回復。
その後「シシリアン」「逃亡者」を撮り
此の「心の指紋」で終わった・・・というか燃え尽きた。
セレブの医者そして患者は貧民窟出身の16歳の
義理の父親殺しの凶悪犯(ジョン・セダ)
その少年はステージ4の末期癌であった。
病院から医者は少年に誘拐され
LAからアリゾナへ逃避行ドライブとなる。
少年はナバホ・インディアンのハーフ。
ルーツとなるナバホの故郷に自分の命を助ける
”聖なる山と湖”が 在ると信じている。
途中、ヒッピーの成れの果てみたいな
老女(アン・バンクラフト怪演)と出会い
初めは、現代医学と掛け離れた虚言と
馬鹿にしていた医者も
何とか彼の命を救いたいと、その 聖地へ向かう。
大西部を横切るロードムービーは
途中、保守的なバイク乗り集団やゴスペル教会と
”イージーライダー”並みの 展開を見せ
指名手配となった二人はヘリの追跡をかわし
”聖なる山と湖”へと向かう・・・といった具合に
サスペンス満載。
小さい頃、兄を安楽死させた主人公の医者のトタウマを
フラッシュバックさせた謎解きも有りラストへ。
享年77歳、その死因は定かで無いが
思えば、監督マイケル・チミノは「サンダーボルト」と
此の「心の指紋」で彼の心は完結したのでは無いか?
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