2024年12月4日水曜日


「戦うパンチョビラ」(1968):バズ・キューリック監督作品
バズ・キューリックは名前が似てるがキューブリックではない。
私の記憶ではスティーブ・マックウィーンの遺作「ハンター」の監督だ。
觀始めたら、何処かで観たような?
そう、まるでセルジオ・レオーネの「夕陽のギャングたち」なのだ。
野盗上がりのメキシコ男ビラが、プロペラ機のアメリカ人パイロットを巻き込み、
メキシコ革命を企てる話は
ユル・ブリンナーをロッド・スタイガーに、ロバート・ミツチャムをジェームス・コバーンにすれば、ほぼ先の「夕陽のギャングたち」に重なる。
そう言えば此の映画でブレイクしたチャールズ・ブロンソンを
レオーネは米国本土に乗り込んで最初の西部劇「ウエスタン」で主役にしている。
ブロンソンが、あのムッツリ顔で捕虜をバンバン撃ち殺すキャラクターは
後々の彼の映画に繋がっている。
「荒野の用心棒」で世界的なマカロニ・ウエスタンの監督になったレオーネは
イーストウッドの話だと「アラビアのロレンス」の様なスペクタクルを
撮りたい"と生前言ってたらしい。
ロバート・ミツチャムがパイロット役だから、やたら俯瞰でメキシコ革命の戦場を捉えたスペクタクルな映像が素晴らしい。
どれだけCGの無い時代エキストラを使ったんだろう。
レオーネの「夕陽のギャングたち」は、男同士のあやしくも熱い友情で泣かせたが
此の作品でもメキシコの男達が義兄弟のような固い友情で結ばれ
グリンゴ=外人のロバート・ミツチャムも金目当ての武器商人のはずが、
いつしかその仲間になってしまう。
此の頃のロバート・ミツチャムは、やたら格好良い。
ロベール・アンリコが「ラムの大通り」に使いたがったのも無理はない。
ユル・ブリンナーはトレードマークのスキンヘッドでは無く黒髪のカツラを付けているが彼のルーツはロシア移民だから目が青く違和感があり盗賊上がりの革命軍リーダーにしては”王様と私”みたいだ。
兎に角、此の映画もフェミニズムの逆で女性の扱いが雑だと思ったら
脚本にサム・ペキンパーと「チャイナタウン」のロバート・タウンの名で謎が解けた。
それにしても「戦うパンチョビラ」を「夕陽のギャングたち」に
仕立て直すなんてセルジオ・レオーネもヤルもんだね。

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松枝 良明、丹羽建蔵、他3人
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