2024年1月30日火曜日


「新・座頭市」16話 裸の泣き虫役人:井上昭 監督作品
連日、放映しているから録画して観ているのだが
此の回はコント55号の坂上二郎に、自由劇場の吉田日出子
そして私の悪役俳優 NO.1の菅貫太郎。
此れに、もう何度のその才能を再評価している監督・井上昭
この名前をオープニングに観たら、期待せずにはいられない。
先ずは此のロングショットを観て!
カメラ森田富士郎が捉えた映像が美しい。
座頭市が釣り人に”魚が食いついてますよ!”と教えるところ。
目の見えないものが教えるなんて笑えるが
その後、木漏れ日を感じた座頭市が手をかざして
その温もりを確かめている。
その昔、浅草の銭湯で会った落語家の快楽亭ブラックが
たけしの映画「座頭市」を”盲人の哀しみが分かっていない!”と
切り捨てたが、勝新の座頭市は笑いも含めて、その辛さ哀しみを
いつも表現していた。
匂いで子供が食べた蜜柑の皮に気付き、畳に這いつくばって
残りを食べる座頭市に、その哀れさが滲み出る。
そういえば、此のシリーズに出てくる子供と勝新の絡みはいつも面白い。
彼は子役というか子供に好かれる性格だったのだ。
だから、つくづく”影武者”が子供に見破られる設定の
”あの人”の作品に出られなかったのは惜しい!

此の作品の二郎さんは当て書きのようにハマっている。
鈍臭いほど生真面目な役人が黒を白と言って
上役に仕えて生きて来たのが”座頭市を殺せ”の命令にキレる
此の場面は二郎さん役者人生最高の名演だったのではないだろうか?

そして今は殆ど見る事も無くなった吉田日出子。
その可愛いい表情の”上海バンスキング”が懐かしい。
そして憎たらしくて巧いのが菅貫太郎!
「十三人の刺客」の狂った殿様以来、彼が出てくると
画面に妖気が漂う、まさに怪優だ。
とにかく此れだけのテンションをキープしつつ
毎週オンエアに間に合う様に撮り続けたスタッフは驚異的だ。
それも監督・井上昭からして今は殆ど亡くなっている・・・。















 

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