「悪の法則」(2013) : リドリー・スコット監督作品
先日、ギャラリー・ボビンでやった”リドリー・スコット展”で
私の観てない作品が出て何だ?と、それが此の「悪の法則」だった。
いやはや、そうそうたるスター達の競演というより
流石、リドリーの作品なら出るはと参加した俳優は
スペインのハビエル・バルデスにペネロペ・クルスの夫婦
ブラッド・ピットにジェファー・ロペスと皆一枚看板のスターばかり
それが惜し気もなく、次々と殺されて行く。
それも首を付け根からワイアーでちょん切るという
R15+コードの残虐な方法で。
見慣れない俳優が主役のマイケル・ファスベンダー
”Counselor=カウンセラー”日本の意味とはまったく違う
”法律顧問”という職業の男。
彼が婚約者にダイヤを買ってやろうと、その大金を欲しいと
友達の実業家ハビエル・バルデスの誘いに
やはり友人ブラッド・ピットのアドバイスもあり
麻薬の密輸を引き受けてしまう。
しかし、その影に、それを横取りしようと企む”奴”がいて
その麻薬を積んだ下水処理トラックごと奪われてしまう。
その挙げ句、元締め麻薬カルテルの怒りを買い
彼の恋人も後は逃げるしかないが、当に後手後手に回り
先々で襲われ消されてゆく。
その追い込まれ方がカフカの「審判」の不条理劇の様で
”いったい俺が何をしたと言うのだ”とボヤく
この辺りが最近スペクタクル作品の多いリドリー・監督としては
異色作ともいえる肌合いで
先にダイヤを買う商人にドイツの名優ブルーノ・ガンツ。
麻薬カルテルの元締めにサルサ帝王ルーベン・ブラデスと
キャスティングは、それぞれの役以上に哲学的な事を語らせ
主役のマイケル・ファスベンダーを心理的に追い詰める。
その監督リドリー・スコットの”遊び”を楽しめるかどうかで
此の作品の評価は分かれるだろう。
それにしても怖い映画だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿