山茶花究(1914~1971)
昨日、息子ののり一の「何はなくとも三木のり平」を読んでいたら
此の山茶花究の話が出て来た。
急に逢いたくなって老後の楽しみDVDコレクション中の
"川島雄三”と”若尾文子”のBOXを探して.確か此の「雁の寺」に出ていた筈だと。
彼の名前は掛け算の3x3=9から取ったらしい。
まあ8x8=64八波むとしの頃だね。
彼は役者人生は戦前前後と波乱万丈で
”あきれたたボーイズ”に川田晴久の後釜で入った処辺りから芽が出始め、
森繁劇団の番頭役として劇団を纏めていたらしい。
でも私が知るのは日本映画の名脇役および悪役だ。
黒澤明、成瀬巳喜男、川島雄三と巨匠監督に可愛がられ、
と言っても可愛いというには目付きが鋭くほぼ悪役か嫌われ役が多かったが・・・。
記憶にあるのは川島雄三の「雁の寺」で
主人公の修行僧が務める寺の住職の友人の僧侶役。
此の僧侶が少し変わっていて愛人を囲いカメラマニア。
どの場面でもカメラを撮りまくっている。
昔から人を笑わせるのは、泣かすよりずっと難しいと言われるが
彼は何もしなくともカメラを持っているだけで可笑しい。
此の映画、その修行僧が住職(三島雅夫)と愛人(若尾文子)の
情事を見て、殺意を覚えるというエロチックスリラー。
そんな英語が似合わない水上勉の文芸作品。
寺の襖に描かれた雁の絵が怪しく舞い上がるラストには戦慄が走る。
愛人・若尾文子の匂う様な色気に、住職・三島雅夫の生臭い絡みは
同じ三島の三島由紀夫の「金閣寺」と双璧の怪しさ。
その中に更に怪しい山茶花究の怪演が見ものの作品だ。
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