2020年6月4日木曜日

七つの会議 (2019)
知り合いから何本か映画の入った DVDがウチに届いた。
中でも面白かった此の映画を紹介したい。
原作は半沢直樹下町ロケットの売れっ子小説家・池井戸潤。
監督は此れまた其れ等をTVドラマ化してヒットさせている福澤克雄。
まあ、此のコンビ鉄板だが
キャストが少しヒネってあり主役に狂言師の野村萬斎。
彼は「陰陽師」や「のぼうの城」の時代劇で奇妙なキャラクターが
生かされているが現代劇、それも企業ドラマでは、どうなのか?
不安はあったが、それが更に濃いキャラの香川照之
そして片岡愛之助と歌舞伎界の役者に絡ませることでクリア。
更に落語界から春風亭昇太に、立川談春。
それに漫才界からオリエンタル・ラジオの藤森慎吾と
もう日本の芸能の全てのジャンルからのキャスティングで
なんとも違和感を通り越したメリハリの効いた作品となった。
話は、大企業が利益を上げるため子会社を使い
原料コストを下げ、その為に起きた事故を隠蔽というのを
主人公が暴くというのだが
此の予告編でも観られる様に
その子会社の体育系の企業体質がカリカチュアされていて
いや、現実はそのまま、もっと凄いのかもしれないが
とにかく今やTVに出ずっぱりの元気印こと
香川照之が面白く見せる。
これには元・相棒の及川光博の臭い芝居も霞み
鹿賀丈史、北大路欣也の更にクドイ芝居とのアップのやり取りは
もう動物園の猛獣たちが吠えまくっている様で煩いのなんの。
しかし時々、今流行りのドローンで撮った超俯瞰のロング映像を
程よく挟むことによって、映画に不思議なリズムのテンポが出た。
それにドンデン返しの連続で先は全く読めず、
ジェット・コースターに乗せられた様にハラハラさせるが
結局、勧善懲悪の正義は勝つ!で、映画としてのカタルシスは治る。
福沢諭吉の末裔という此の監督、なかなかやるわい。

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