2020年4月8日水曜日

American Graffit(1973) :George Lucas
先日、BSでまたオンエアされていた此の作品は
私にとって特別なものだ。
まず最初に観たのはグアムのジョンソン・シアター。
その映画館は夜はポルノ映画専門で
日本人のロケ隊が必ず晩飯の後、行くところ(笑)
その時、何のポルノを観たかは全然覚えてないが
劇場の壁に貼られた此のポスターに目を奪われた。
監督ジョージ・ルーカスの名は、その頃知らなかったが
プロデユーサーに「ゴッドファーザー」のフランシス・F・コッポラの名前を見つけ
次の夜、一人で観に行った。
グアムは米国領だから吹き替えも無かったが
全編、オールディズの音楽、ファッションそして車
それらは見事に私のツボにハマった。
それだけでなくグアムは米軍基地の島だから
島に一軒の玩具屋には米兵のお土産用にブリキのオモチャが
箱入りで積み上げられていた。
それらはアメリカン・グラフィティーと同じ世界
60'そのもの。
日本人が憧れたアメリカを具象化したと行って良い。
目の青い野球帽の子供がオープンカーに乗り
ドナルドダックが消防車のハシゴを駆け上った。
残念ながら、その店は海岸通りにあったので
ブリキは少し、潮風で錆びかかっていたが、
私を夢中にするには充分で、値段も手頃で
その時、持てるだけ買い占めて来た。
それ以来、国内ロケでも地方の町の玩具屋を回っては
ブリキのオモチャを探す事を始めた・・・と話は寄り道にそれたが
今、改めて此の映画を観ると此の映画の主演者には
リチャード・ドレイファス(「ジョーズ」「未知との遭遇」)
ロン・ハワード(監督業に転身「スプレッシュ」「コクーン」「アポロ13」)
チャールズ・マーティン・スミス(「ネバークライウルフ」「アンタッチャブル」)
そしてハリソン・フォードは作品を上げるまでもなく
(「スターウォーズ」「ブレードランナー」「インディ・ジョーンズ」etc
私好みの俳優ボー・ホプキンス(「イナゴの日」「キラー・エリート」)
女優は男優ほどブレイクしてはいないが
マッケンジー・フィリップス
彼女はママズ&パパスのショーン・フィリップスの娘
(此の後「ブルージーズ・ジャーニー」に主演している)
キャンディー・クラークはD・ボウイの「地球に落ちて来た男」
「ブルーサンダー」「ゾディアック」
プロデューサーでは
グロリア・カッツ(「ラッキー・レディ」「インディ・ジョーンズ」)
ゲイリー・カーツ(「スター・ウォーズ」「ダーククリスタル」)
カメラマンのハスケル・ウェクスラーは
すでに「夜の捜査網」「カッコーの巣の上で」天国の日々」で有名だが
此の作品にカメラマンの一人として手伝っている。
以上錚々たるキャストとスタッフが参加している此の作品。
実は監督ジョージ・ルーカスにとって黎明期
当たらなかったデビュー作のSF映画「THX1138」を
27歳にして撮った後、2年の月日をかけて自分の青春時代の
甘く切ない記憶を映像に定着させた此の作品は
後の作品に比べればテンポの悪さ、夜間撮影の技術的な未熟さと
もどかしい部分は多々あるものの
旅立つ前の若者たちをリアルに描いた名作として
またベトナム戦争に突入する前の平和なアメリカが見られて
ラストの、主役4人のその後の生死が語られると
思わず涙してしまう。
此の映画、彼にとっても監督としての
正に青春時代だったのではなかろうか?

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