2017年10月19日木曜日

エンニオ・モリコーネの映画音楽集 #2
「荒野の用心棒」A Fist Full Of Dollers:Ennio Morricone
モリコーネを世界的に有名にしたのは
クリント・イーストウッド主演の此の作品だろう。
黒澤明の「用心棒」の完全リメイクというより
その焼き直しの巧さが見事だった。
国は違えど、同じ時代に生きた映画人として
映画の面白さに宮川一夫のカメラ・アングルの素晴らしさ
佐藤勝の音楽の斬新さに
レオーネのスタッフは衝撃を受けたに違いない。
まず、決闘シーンのカメラの極端なローアングルに
アップの切り返しの編集の鋭さ等
その後の”マカロニ・ウエスタン”の基本となった。
そしてモリコーネの音楽だが
佐藤勝のオープニングのラテン楽器を使った高揚感に
イタリア音楽のお株を奪うような
チェンバロの叙情的なメロディは
現代音楽にも強いモリコーネの創作意欲を
可なり刺激したに違いない。
私は思うのだが、その後のモリコーネ音楽全てに
此の「用心棒」からインスパイアされた
音色を大事にしたユニークな楽器構成
そしてモリコーネ節と呼ばれる”泣かせるメロディ”
それら彼のスタイルが始まったのでは無いか?
黒澤明の「用心棒」無くして、モリコーネ音楽は
生まれなかった!
もちろん生存する最高の”マエストロ”は
否定するかもしれないが・・・。






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