2016年5月2日月曜日

名探偵ポアロ「二重の手がかり」
殆ど録った筈だが、ハイビジョンでリマスター
再放映している此のシリーズだが
どうせなら綺麗な画面でと
ブルー・レイで又録画し直している。
その中でも異色な此の作品、話は大ざっぱだが
堅物のポアロも、やっぱり”男”だったという1編。
恋する彼女の前では、ポアロ役デヴィト・スーシェの
鋭い目付きも緩み、ヨチヨチの歩き方までスマートになり
すっかり二枚目に成り切っているのが可笑しい。

話は盟友ジャック警部が、宝石泥棒が多発して
解決しないとクビに成りそうだとポアロ探偵事務所に
助けを求めに来る処から始まる。
何れもパーティーが行われた館の金庫破りなのだ。
それで、次に狙われそうなパーティーに
ポアロが乗り込む訳だが
途中、教会の前で幸せそうなカップルを観た
相棒のヘイステイングに
”ポアロさんは何故結婚しないんですか?”と聞かれ
ポアロは”殆どの夫は妻に殺されている!”と答え
その言葉も乾かない内のパーティーで
元ロシア貴族で祖国を追われ、放浪しているという
美しい女性に出会い、一目惚れ。
まるでアニメの様にポアロの表情がみるみる変わり
宝石泥棒など、どうでも良く成ったかに見えるのが可笑しい。
しかし、その夜も金庫から宝石は盗まれ
犯人は”二重の手がかり”を残して行く。

一向に頼まれた事件を解決しようとしないで
その女性とデートばかりしているポアロに
ヘイスティングもあきれ果て、秘書のミス・レモンと
一緒に動き出すが、犯人は全く判らない。
此処からネタバレ!
リマスターの美しい画面でロマンチックに描かれる
ポアロと貴族女性の甘いデートの中身は
あの黒蜥蜴と明智小五郎の恋の駆け引きの様。

あの「オリエント急行殺人事件」では
正義の名の下に、犯人を捉える事に
悩み苦しんだポアロだったが
此の事件にポアロは或る結論を出す。
二つの手がかりの1つ、手袋は犯人がワザと置いたもの。
2つ目のイニシャル入りの煙草ケースは
本当に落としたもので
そのイニシャルがロシア字では彼女の名前。
此れでポアロは彼女が犯人と目星をつけ
優しく説得し、宝石を返させ
自ら芝居を演じて同業者を雇い、宝石を館に戻し
彼女を外国に逃す。
泥棒と探偵では、愛し合っても
所詮かなわぬ恋なのだ。
上の写真はラストの駅の別れの場面
”お互い同じ国での仕事は止めましょう”と。

本当に珍しい”ポアロの恋”を描いた此の作品
私のコレクションに特別なDVD1枚として追加。

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