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資生堂 CM - アクエアビューティケイク - 1973:桜井順
此れは先に”図書館のCM”で紹介した杉山登志さんの作品
ご覧の様なダイナミックなシチュエーションに
とても日本とは思えない洒落たセンスの
大人の女性2人を登場させている。
何より彼自らカメラを回した、その映像感覚の素晴らしさ
それに付けられた桜井順さんの音楽の繊細さ
総てが完璧で美しい。
今思えば、此の曲、当時、彼がよく聴いていた
ブリジット・フォンテーヌの”ラジオの様に”だ。
(流石の桜井さん、アラビック風味を押さえ洗練させている)
杉山登志さんは先に書いた様に
私の務めた会社の常務であり、大先輩ディレクターだが、
会社のエレベーターに乗り合わせても
目敏く私の持って居たLPレコードに
「それ、どう?」と聞いて来る貪欲な音楽マニアであった。
夜中にBARで偶然会っても「ウチ来る?」と
平社員の私を自分のマンションに招き
ずらりと床に並べられたレコードの中から
彼の気に入ったものをかけ、私の反応を試した。
アル・クーパーの「アイ・スタンド・アローン」
サイモンとガーファンクルの「ボクサー」等
その時は涙が出るほど感激したものだ。
それだけではなく
会社の企画演出部の資料室にレコード部門を作り
”レコード委員”という役に
先輩ディレクターの椙山三太さん
(作曲家すぎやまこういち氏の弟)と
私を抜擢してくれた。
此の”レコード委員”はレコードを月4枚
(約1万円)自由に買って良いという役だ。
その代わり、ディレクター全員が納得する様な
あらゆるジャンルの、新しい物を選ばなくてはいけない。
実際には椙山さんは忙しかったので
レコード雑誌で調べ、私が独断と偏見で全部選んで居た。
音楽評論家の様にレコード総てを聴きまくり
選ぶのが私の仕事だったのだ。
当時流行っていたもの、温故知新の古いもの
民族音楽から落語と、中古レコード屋まで漁った。
それは私の生き甲斐にも成って
今も「今日の1曲」に、続いていると云う訳だ。
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