2015年7月31日金曜日

ムクゲの花
強い陽射しに、ムクゲの花が健気(けなげ)に咲いている。
此の花を見ると山下耕作監督の「関の弥太っぺ」を想い出す。
長谷川伸原作「瞼の母」「沓掛時次郎」と並び中村錦之助の
股旅物3部作にして又、日本映画の傑作として評価の高い
此の時代劇は、何度観ても私の胸を熱くさせる。
映画のクライマックス、主人公・弥太郎とお小夜の別れの場面
此のムクゲの花の生け垣が、ヤクザと堅気の娘の
越えてはならない境界と成った。
川に落ち、溺れていた幼い娘を救った若いヤクザは
探していた生き別れの妹が既に死んでいたと知り
自暴自棄となり、頬に傷を持つ極道面に変貌してしまう。
だから美しく成長したその娘は目の前に居る男が
昔、命を救ってくれた恩人だと云う事に気付かない。
ヤクザは助けたのは自分だと告げぬまま
死地に向かって、去って行く・・・。
日本文化の底流にあるヤクザ本来のあるべき姿。
まさに究極の”男の美学”。
でも忘れる事だ、忘れて日が暮れりゃ明日になる・・・」
此の名場面の台詞は此処に!
最近、DVDが復刻されてTSUTAYAの時代劇コーナーに
在ると思うので、まだ観てない方は是非どうぞ!

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