2015年4月25日土曜日

由利徹(1921~1999)
彼の事は「脱線トリオ」の一員として、だいぶ前に紹介したが
彼個人としての魅力を語っていなかった様に思う。
私が子供の頃、TV演芸番組のコントで彼がやっていた、
”チンチロリンのカックン”という
首を真横にズラす芸が好きで、一生懸命,鏡の前で練習し
何とか出来る様に成り、みんなの前で披露したが
案外に受けなかった。
それは彼がコントの流れでヤルから面白いのであって
いきなりやっても面白く無いのである。
高平哲郎著「由利徹が行く」でも書かれた通り
あれだけ、人を笑い転げさせる芸を持ちながら
日本の他の喜劇人の中で彼の評価が低かったのは
アチャラカ・ドタバタ・ナンセンスと
ネタの下品さに、ワン・パターンとも思える芸の反復が
マンネリとして世の評論家に切り捨てられたからである。
しかし、その下ネタとワン・パターンこそ彼の真骨頂。
その笑いは、古くは江戸時代に始まる
幇間(たいこもち)が、お座敷で見せる正に色物(イロモノ)芸。
その道の研究者・小沢昭一氏が追跡した”日本の放浪芸”
彼こそは末裔であり、庶民文化の継承者だったのだ。
しかし、それらはTVという公の媒体に嫌が応も無く表に出されてしまい
”性”を”笑い”に変える彼の芸風は、とかく俗悪、猥褻と
世の常識人からは疎まれ蔑まれた。
でも、それはオトナの”笑い”として楽しむべきもので
去年の流行語大賞を得たダッチワイフ・ネタの
”ダメよダメだめ〜「日本エレキテル連合」然り、何時の世にも
一般大衆に、それは求められ、愛されるものなのだ。
そんな訳で同胞、橋達也との絶妙な掛け合いのコントが此処に!
☝上の画面をクリック
彼の芸の総てが惜しみなく網羅されているので
最後までしっかり見て、彼の魅力を堪能して欲しい。
それにしても、彼の動きのナントしなやか?な事。

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