2015年2月11日水曜日

インテリ系
それなりの知性と教養が有りながら
何故か”悪の道”を選んだ俳優たちも居る。
草野大悟(1939〜1991)
彼は明大を中退し文学座へ。
同期の岸田森や悠木千帆(今の樹木希林)に誘われ
「六月劇場」に参加。
時は状況劇場、天井桟敷のアングラ演劇全盛期
政治の季節に難解な芝居を打っていたが
気のあった勝新太郎のTV座頭市や
ATG制作の実相寺作品等で
知性とは裏腹の泥臭い人間らしい悪役を演じ
その早い死は沢山の演劇ファンを悲しませた。

草薙幸二郎(1929〜2007)
劇団民藝に在籍中に映画「夜明け前」で映画デビュー
今村正監督の「真昼の暗黒」で主役に抜擢され
注目を浴びたが、それ以降は日活を中心に
時代劇、現代劇を問わず
インテリ風(つまり悪賢い)悪役を演じた。
TVでも大河ドラマから「必殺シリーズ」まで
「太陽にほえろ」では大学教授に警察署長
たまにヤクザをやっても組長と幹部役が多かったのは
何処かに知性が感じられたせいだろう。

    
川合伸旺(1932〜2006)
劇団青俳からNLTそして浪漫劇場と知的な演劇畑に
TVでは悪役”の二足のわらじを上手に履いていた俳優である。
刑事ものでは「ザ・ガードマン」に「キーハンター」「Gメン’75」    
時代劇では「銭形平次」に「水戸黄門」「必殺シリーズ」に
「桃太郎侍」「暴れん坊将軍」と
悪代官から悪徳商人と江戸時代の悪い奴の親玉であった。
しかし声優としてはポール・ニューマンをレギュラーで勤め
彼の声には”悪”のイメージは感じられない。

田口 計 (1933~)
インテリ系悪役の〆に相応しいのは彼。
東大文学部出身、インテリ系ではトップの学歴だろう。
それでも”悪”に染まれば皆同じ
上の川合伸旺とレギュラー出演した番組は重なる。
毎週どちらか交代で悪代官から悪徳商人を
演じて居たことになる。
カンロのど飴のCMに川合とコンビで出て
「おぬしも悪よの〜」「いや、お代官様には・・・」と
定番の台詞で賄賂が飴というのを観た記憶があるが
どっちが悪代官でどっちが悪徳商人だったか(笑)
声優ではマーロン・ブランドや
ケーリー・グラントをやっていた。
いつもの悪役と違い、さぞかし気持良かった事だろう。


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