風立ちぬ:久石 譲
宮崎駿が引退すると決めた此の作品は
ゼロ戦の設計者・堀越二郎をモデルに
同名の堀辰雄の小説を絡め
雑誌に連載していた漫画のアニメ化。
関東大震災前後の日本を舞台に
ヒコーキの設計を夢見る少年の成長と
偶然であった少女との儚い恋を描いたものだ。
太平洋戦争に突入する頃と現在の日本を重ね
「紅の豚」に象徴される戦闘機マニアの自分と
反戦主義者である宮崎の矛盾を此の作品に象徴させた。
主人公に自分を託し、此れでもう
やり残した仕事は無い!と決意したのだろう。
久石の音楽は、マンドリンで空を飛ぶ軽やかさと
細く切れそうな命の儚さを表現して見事。
例によって映画のCMには
ユーミンの「ヒコーキ雲」が使われたが
映画のノスタルジックな世界は
此れまでの久石音楽の集大成と云える。
類い稀なる美しいメロディ・メーカー
そして映像を際立たせる的確な編曲は
演出家にとっては強い味方
此れからも日本映画及びアニメと
作曲家・久石 譲の時代は当分続くだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿