丹下左膳 劍風 百万両の壷 (1982)
その昔は大河内伝次郎、大友柳太郎、中村錦之助
最近では豊川悦司、中村獅童と様々な俳優が演じた役だが
此の仲代達矢を使った五社英雄のものは観ていなかった。
五社はフジテレビのプロデューサー監督として
「三匹の侍」からスタートし、映画「鬼龍院花子の生涯」等
劇場映画でも成功を収めた監督である。
その彼の最期のTVドラマと成ったのが此の作品だ。
製作は「鬼平犯科帳」の能村庸一
カメラは大映で勝新の座頭市、雷蔵で眠狂四郎を撮っていた森田富士郎
美術は「木枯し紋次郎」等、市川崑の作品で知られる西岡善信。
此の完璧なスタッフに
キャストが先の仲代達矢。
此の仲代が全盛期の体力で片腕で重い刀を振り回し
片目でも3倍位有る仲代の眼力(めじから)で
片目でも3倍位有る仲代の眼力(めじから)で
文字通り画面狭しと暴れ回る。
相手役の常磐津の師匠、実は女盗賊お藤は
此の頃、お色気ムンムンの松尾嘉代が
恥ずかしげも無く、乳房を剥き出しにして絡み
女だてらに拳銃を撃ちまくる。
五社は女優をノセるのが巧い!
「鬼龍院・・・」では夏目雅子
「陽輝楼」では池上季実子に浅野温子と
清純派を”汚れ役”とも云える演技派に変身させた。
此の作品の松尾嘉代の鉄火女ぶりは彼女の最高作だろう。
女だてらに拳銃を撃ちまくる。
五社は女優をノセるのが巧い!
「鬼龍院・・・」では夏目雅子
「陽輝楼」では池上季実子に浅野温子と
清純派を”汚れ役”とも云える演技派に変身させた。
此の作品の松尾嘉代の鉄火女ぶりは彼女の最高作だろう。
此れだけでも見応え有るのに
敵役が強い程、映画は面白いの定説通り
時代劇には定評の有る夏八木勲の敵役がハマリ
(彼は五社の映画「牙狼之助」で2度も主役を演じている)
(彼は五社の映画「牙狼之助」で2度も主役を演じている)
ラストの一騎打ちは、さながら映画「椿三十郎」を彷彿とさせる。
そう、黒澤明のリアルな時代劇を茶の間に持ち込み
当時のTVフレームという狭い枠のハンデに奥行きで勝負した
テレビ界の風雲児ディレクター・五社英雄。
その彼は1980年、銃刀不法所持で逮捕され
TV局を追われてから、十余年満を持し
万全の体制で挑んだ此の作品には、五社の熱い想いが
画面の隅々に溢れている。
過去の脚本に、自ら大幅に手を加えたものは
歯切れが良く、その早いテンポは今観ても新鮮。
公儀隠密に柳生一族、そして相馬中村藩から追われ
藩に裏切られ、武家社会から放り出され、浪人となって
ニヒルに生きる左膳には、不況の現代にリストラされた
サラリーマンとの共通点も多い。
サラリーマンとの共通点も多い。
その物語に普遍性を持たせているのがモダンな映像。
無駄の無いカット割りは正に映画文法のお手本の様。
無駄の無いカット割りは正に映画文法のお手本の様。
黒澤明に市川崑の画面構成の面白さをプラス
と云ったら揉め過ぎか?
エンタテイメントとして柳生忍者の”くの一”集団を
”出雲のお国”風のダンサー群に仕立て
忍者アクションは工藤栄一の「影の軍団」のスピード感。
キャスティングも”あご&金造”やスマイリー小原で遊び。
エンタテイメントとして柳生忍者の”くの一”集団を
”出雲のお国”風のダンサー群に仕立て
忍者アクションは工藤栄一の「影の軍団」のスピード感。
キャスティングも”あご&金造”やスマイリー小原で遊び。
なによりデビュー当時(映画「用心棒」)の
日本人離れした俳優・仲代達矢の狂気を引き出した
五社の才能を改めて感じた。
いつか、平幹二朗の「眠狂四郎」(1967)のシリーズや
今は美輪明宏だが丸山明宏主演の
TVドラマ「雪之丞変化」(1970)が観たい。
余談だが後年、あの安藤昇と義兄弟になり
二代目彫芳に全身刺青をさせたという
並みの監督らしからぬ
彼の世界を、もっと覗いてみたいものだ。
五社英雄と関係はないが 劇画・橋蔵が行く-2「下町慕情」の1シーン
日本人離れした俳優・仲代達矢の狂気を引き出した
五社の才能を改めて感じた。
いつか、平幹二朗の「眠狂四郎」(1967)のシリーズや
今は美輪明宏だが丸山明宏主演の
TVドラマ「雪之丞変化」(1970)が観たい。
余談だが後年、あの安藤昇と義兄弟になり
二代目彫芳に全身刺青をさせたという
並みの監督らしからぬ
彼の世界を、もっと覗いてみたいものだ。
五社英雄と関係はないが 劇画・橋蔵が行く-2「下町慕情」の1シーン
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