あの日の指輪を待つきみへ(2007)
私は昔からシャーリー・マクレーンの大ファンだが
此の映画はタイトルが甘過ぎて観る気にならなかった。
BSでオンエアしたのも、大分放って置いたのだが先日やっと観た。
本題はClosing the Ring
”閉じた指輪”とでも訳すれば良いだろうか?
邦題とは随分違う。
だから内容も想像したものと可成り違っていた。
戦争未亡人の閉じた心を指輪に例えている。
その未亡人をシャーリーが演じている。
アカデミー賞女優だけに、その老いた風貌を曝け出しでも
心の美しさに気品が漂う。
若い時の彼女の役をミーシャ・バートンが演じ
似ては居ないが、無口で無表情なのが上手に繋がっている。
若い頃の彼女を巡る青年3人の友情物語を
時間と場所を米国とアイルランドの2次元で描き
観るものに謎解きをさせて飽きさせない。
米国側にクリスファー・プラマー
アイルランド側にピート・ポスルスウェイトという
名優を脇に配して、やもすればロマンチック過ぎる
此のドラマに真実味を出している。
真実味と云えばアイルランドといえば
北アイルランド紛争なくしては語れないから
そこに第二次世界大戦と現代の紛争を絡ませ
人が戦って命を落とす事の無意味さを対比させ
此のメロドラマを普遍的にしている。
監督のリチャード・アッテンボローは
Richard Attenborough
「大脱走」辺りから最近は「ジェラシック・パーク」と
長い経歴を誇る俳優だが、監督としても
『ガンジー」や『チャーリー」でアカデミー作品賞を
取った名監督だ。
名優たちの演技を巧く引き出して流石。
それにしても、そろそろ歩くのも覚束ない筈(当時77歳)の
シャーリー・マクレーンが崖を上がり下りして
ちゃんと芝居してるのに驚く。
普段から身体を鍛えているのだろう。
彼女を此のサイトの”Stardust Memories★星屑たちの記憶”で
取り上げたら1回で終わらないからシリーズになるな。



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