TVドラマ・孤独のグルメ
友達から面白いと薦められたが
オンエアが真夜中なので早寝の私は
シリーズ3作目になるというのに観る機会が無かった。
やっと此の正月三が日一挙放映というので
録画して半分くらい観た。
原作はSPAという雑誌に連載されているグルメ漫画らしい。
ドラマの主人公は個人で輸入雑貨を営み
出張する先々の偶然遭遇する店で食べる昼食や
夕食がメインに成っている。
此の作品が他のグルメ・ドラマと違うのは
主人公は酒が飲めず、飲物は茶かジュース
そして味噌汁だけ、もっぱら空腹を満たす料理のみ
そして入る店が、いわゆるグルメガイドに載っていない
ミュシュランや一流高級店とは程遠いところだ。
それでも1回に約2〜3千円はかけて
定食屋であってもサイドメニューを必ず余分に取る。
えっ、そんなに頼んで食べきれるの?と心配するが
見事に全部残さず食べてしまうのが見どころ。
まあ”大食いコンテスト”のギャル曽根並みの迫力だが
主人公を演じている俳優・松重豊の身体が大きいのと
本当に旨そうに食べるので
観る方は、自分が実際に食べた訳でも無いのに
最後は不思議な満腹感に浸れてしまうがポイントだ。
余談だが、十余年前、此の俳優・松重豊が、
まだ売れて居ない頃、私は某ビールのCMで
サイパンに連れて行き、撮影した事が有る。
大ジョキで結構飲ましたが、何杯飲んでも
ケロッとしていたのを思い出す。
それは”えなりかずき”が子役の頃、
某調味料CM撮影で味噌汁を何杯飲んでも
平気だったのと双璧の演技、いや特技と云うべきか?
とにかく此のドラマで松重豊の”食べる演技”が素晴らしい。
しかし演出家の狙いかも知れないが
ナレーションとシンクロし過ぎの表情は何回か観ると諄く
もっと心の声が被さるなら、芝居は押さえるべきだろう。
しかし此のドラマの魅力は別な処にもある。
主人公が訪れる街や店の風景と人々の描き方が面白いのだ。
”いるいる、此んな奴・・・”と思わずつぶやいてしまう
何気ない市井の人々の会話や仕草。
DVD化されビデオ・レンタルもされているから
恐らく予算も沢山とれ、撮影に時間もかけているのだろう
何処かで観た事のある演技の確かな脇役俳優を使って
画面の奥までエキストラとして仕込んでいるのだ。
それはリアルというよりカリカチュアされていて
古くは小津安二郎、最近ではフィンランドのカウリスマキの
映画に観られるリズムにタッチと云うのは誉め過ぎとしても
編集の間のズラし方、映像の冷め方に現代性を感じる。
たかが”食いもの”の話で此処までのドラマを作って続ける
その勇気に努力、それは今の軽佻浮薄なTV番組だらけの中で
とても貴重なものの様に思える。


明けましておめでとうございます。
返信削除今年はイタリアンを御馳走に伺いますね。
ワインを持っていきます。
是非どうぞ!
返信削除出来ればワインは
私がいつも飲んでる
1000円以下でないものを
(笑)
この俳優の起用が漫画主人公の雰囲気に合っているのが好ましいナ。
返信削除どちらかと云えば、悪役面の
返信削除此の俳優は劇画の甘い二枚目と違い
諄(くど)い顔、それの表情の変化は
メリハリがあるが、こう連日続くと辛い。
まあ1週間に1度なら我慢出来るが(笑)