2013年10月18日金曜日

オーシャン・オブ・ファイヤー
題名が”オーシャン14”の様で、録画はしたものの
なかなか観る気はしなかった作品だが
観たら、まったく私の勘違い。
淀川長治風に云えば”血湧き肉踊る冒険活劇”とは
此んな映画を指すのだろう。
とにかく出だしは”コールド・マウンテン”かと思える程
凍った落ち葉のクローズ・アップ。
(それも光が尋常では無く美しい)
それが後半の灼熱の太陽の照りつけるサハラ砂漠への対比。
まったく見事な構成力だ。
監督ジョー・ジョンストンの名に覚えが有ると思ったら
「ニューヨーク東8番街の奇跡」「スター・ウォーズ」
そして「インディ・ジョーンズ」シリーズの特殊効果担当
その後「ロケッティア」「ジュマンジ」「ジェラシック・パークⅢ」を
監督した、その人だった。
此の作品でも砂漠の砂嵐、イナゴの群れの襲来など
迫力有る特殊効果は見応え充分。
しかし映画の面白さは1にシナリオ
2にキャスティングの定説通り
まず主人公は白人とインディアンの混血。
乗馬の技術を買われ、伝令として騎兵隊に雇われる。
しかし運んだ文書のせいで、彼が育ったスー族が
全滅させられる運命になった過去が明かされる。
此の役を「ロード・オブ・ザ・リング」の”アラゴン”役で
人気の出たヴィゴ・モーテセンが演じる。
キツい強面の顔立ちは日本では、それほど人気は出ていないが
その後、あのクローネンバーグの映画「イースタン・プロミス」で
第80回アカデミー主演男優賞にノミネートされている程の実力だ。
彼に絡むのが「アラビアのロレンス」の名優オマー・シャリフ。
アラブの族長役として、老けたが渋い演技を見せている。
何故、西部劇に、アラブの族長が出て来るか?と云うと
主人公は、その乗馬の技術を買われ
”ワイルド・ビル・ヒックコックの西部劇ショー”に参加するも
自分の身内を結果的に裏切った過去を悔やみ
酒で荒んだ生活を送っている。
そこに大西洋を越えてアメリカの開拓者に憧れたアラブの族長から
アラビア砂漠横断競馬レース”オーシャン・オブ・ファイヤー”
の出場を誘われる。(邦題は此処から)
そうそう此の映画の本当の題名はスー族の言葉で
「Hidalgo=野生馬」、英語では”ムスタング”。
私の大好きな「馬映画」なのだ。
此れまで此のサイトでも取り上げた
「少年の黒い馬・ブラック・スタリオン」
「モンタナの風に吹かれて」など
此の映画も、実は人間と馬との友情物語だった。
此の作品での馬は白と茶の野生馬出身だが、人間以上に賢く
スタミナ、スピードが、ヒーロー映画の様に凄いのだ。
舞台をアメリカ西部から遠く離れ、アラビア半島まで移し
ヤシの木のエキゾチックな風景にアラブの民族衣装と
主人公のカウボーイ姿は、何とも違和感があるが
主人公と馬との熱い絆は強く、何度も彼のピンチを救い
なにより、その澄んだ馬の瞳が美しい!
「モンタナ・・・」でも馬が演技をしたが
此の馬は、それ以上の演技派だ。
だから、族長の娘とのロマンスも
主人公は彼女より、馬の方を愛してる様に思える(笑)
とにかく後から後へと難関が待ち構える
(敵の妨害で落とし穴や豹にまで襲われる)
アラビア砂漠横断4800kmの波瀾万丈のレースは
シナリオと編集の巧さもあり、一時も休ませない。
そして雄大な砂漠の全てを捉えた映像の素晴らしさ。
そこには現在ハリウッド最先端の技術者たちの力が漲っている。
映画の面白さが満載されている此の作品
是非、お勧め!


3 件のコメント:

  1. この映画、BSで2度目のON AIRじゃなかったかな?確かにタイトルだけだと今一んんだけど、見るとエッて感じでグングン引き込まれるよね。2度めでもやっぱり面白かったなあ。2週間以上PC無しTV無しの生活を送ると何だかスッキリします。その間は音楽と本だけでした。(酒は少々)

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  2. 病院か留置所にでも入っていたか?

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  3. ははは!「田舎~♪ に 帰~ろう♪」 病院と務所に酒は無いからね。(笑)

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