2013年6月15日土曜日

Dimitri Tiomkin's World - 19
ローマ帝国の滅亡(1964) - Dimitri Tiomkin
長らく続けた”ディミトリ・ティオミキンの世界”も今日で最後
最後に相応しい荘厳なパイプオルガンによる主題曲は
当時の70mm映画音楽の形式を全く変えた斬新なものだった。
それまでのものはミクロス・ローザの「ベン・ハー」や
アレックス・ノースの「クレオパトラ」の様に
大掛かりなオーケストレーションが主のオラトリオがメインだった。
おそらくティオムキンは
”ローマ帝国の滅亡”を宗教音楽の形を借りて
レクイエムとして表現したかったのかも知れない。
ともあれ、TVに客を奪われたハリウッド映画産業が此れ以降、
予算的にリスクの高い大作映画を作らなくなった事と
(此の映画のリメイク「グラディエーター」まで)
流石に此の頃に成るとティオムキンも高齢化して
スコアを書けなく成り、彼らしい作品が見られなった。
ロシア移民の子でありながら
若くして、その非凡な才能を世に認められ
西部劇、スリラー、文芸作品そしてスペクタクルと
ハリウッド映画音楽界に長らく帝王の如く君臨した
ティオムキンは84歳の長寿を全うして亡くなった。
しかし今でも、それらの名画が色褪せぬ様に
彼の付けた音楽は私達を高揚させずにはおかない。

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