アドレナリン
変な題名の面白さに、どんな内容かも解らず
取り敢えずBS録画して置いたものをやっと観た。
脚本演出はマーク・ネヴェルダインとブライアン・テイラー
という米国CM畑出身の2人組。
とにかく話が奇想天外、
主人公は殺し屋で、仕事(殺し)を終えた途端に
いきなり依頼人に薬物を注射され、その毒で
1時間以内に確実に死ぬ!とご丁寧に説明される。
焦った主人公は友達の医者に、どうすれば助かるかと携帯電話で聞くと
その医者は、アドレナリンを出し続ければ
それだけ毒の回りが遅く成るはずと助言される。
”アドレナリンを出し続ければ”と云われても・・・
それで、まず彼は走って、絶えず身体を動かす事に。
(だから映画は、やたら忙しいテンポになる)
手持ちカメラの躍動感と最近流行の犯人探しのTVモニターに
テレビ・ゲームの映像まで取り込んだ分割画面と
滅茶苦茶速いフラッシュ・カットの連続。
観るものは主人公と同じくパニック状態にさせられる
絶えず興奮していなければ死んでしまうから
近くの病院に潜り込み、患者に化けて、興奮剤を盗む。
そのままバイクに股がり逃走するも
手術着だから尻丸出しの何とも間抜けな格好。
上の写真の通り、ハゲ頭、どう見ても格好良くない俳優が、
そのワイルドさで、どんどんヒーローに見えて来るから不思議。
興奮すると云えば、セックスするのが良いと、自分の
彼女を中華街に呼び出し、いきなり公衆の面前でコトを始めたり
(観られると余計に興奮するタイプらしい)
車で走行中、彼女も突然運転する彼のナニをくわえたりと
アドレナリンを出す為、男女とも必死で走り回る。
彼女を演じた女優もセンスが良くて
男が気持ち良く成ってイキそうだと云うと、
イッたらアドレナリンが出なくなるから駄目!と
途中でナニを止めたりするクールさが笑わせる。
低予算映画らしく、其れらしい俳優の裏をかく
無名の国際色豊かなキャスティングに
多国籍の入り混じる大都市L.Aらしい現実が浮かび上がる。
結局、早い話が依頼人を捜して解毒剤を射たせれば良いのだが、
やっと追いつめた依頼人に
「そんなものは無い!」とアッサリ云われる。
さあ、どうする、どうする?
まあ最後のオチは未見の人の為に伏せておこう。
此の狂気じみたテンポとタッチは例うるに
「トレイン・スポッティング」「スラムドッグ$ミリオネア」の
監督で、ロンドン・オリンピックの開催式を演出した
ダニー・ボイルが近いか?
でも此のB級映画と一緒にしてはアカデミー賞監督に失礼だな。
此の作品は共同監督デビューらしく荒削りで、
お世辞にも完成度が高いとは云い難いが
脚本のアイディと映像の迫力は、とにかく凄まじい!
此の映画、ヒットして続編も出来たらしいが
それには私のアドレナリンが増え過ぎ、血圧によろしくないから
もう結構。
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