2020年7月16日木曜日

MUSIC VIDEO傑作選#22
Another Brick in the Wall:The Pink Floyd
此れは正確にはミュージックヴィデオでは無い。
アラン・パーカーが映像化したピンク・フロイドのアルバム
「ザ・ウォール」の1曲”Another Brick in the Wall”だ。
でも此の曲はアルバムからシングル・カット発売され
米英のヒット・チャートで1位となった。

”僕たちに教育はいらない
僕たちに思想規制はいらない
教室に嫌味めいた皮肉はいらない
教師は子供に干渉しないでいい
おい!教師よ!子供に干渉するな!
つまるところ、それは壁のレンガの1つに過ぎない
つまるところ、お前は壁のレンガの1つに過ぎない”

此の叫びに付けられた映像が此れだ!
イギリスと日本、遠く離れていても
私自身が受けた教育と、それはピッタリ重なる。
そして映画では、もう一つアニメーションで
此のテーマが繰り返される。
どちらも、その完成度に驚かされる。


2020年7月15日水曜日

ミネソタ大強盗団(1972)
此の映画異色西部劇と噂では聞いていたが見逃していた。
後に「ラトスタッフ」「存在の耐えられない軽さ」で評価された
監督フィリップ・カウフマンのデビュー3作目の作品
米国映画史では此の映画アメリカン・ニューシネマ末期の作品。
「俺たちに明日はない」や「明日に向かって撃て」同様
映画の結末がハッピーエンドで無いのは
それまでのハリウッド画の常識を破っているのも同じだが、
此の作品はそれ以上に新しい。
まず主人公に人ロバート・レッド・フォード等の人気スターを使わず
脇役クラスの実力派クリフ・ロバートソンとロバートデ・ュバルを
起用しているところ。
有名な銀行強盗コール・ヤンガーとジェシー・ジェームスが
リアルな実像として描かれた。
先の「俺たちに・・・」「明日に・・」とは反対に
晴れた抜けの良い画面は皆無で、16mmの荒れた映像は
社会的な正義やモラルとは程遠い強盗しか出来ない
彼らの荒んだ生き様を映し出す。
しかし不画面に不思議に引き込まれる彼らのキャラクター
つまり性格付けが創造を越えて面白い。
面白いといえば強盗に入る予定のミネソタの町の銀行が主宰する
野球大会の様子が出てくるが
此れが、今のルールとは全然違いイイ加減というか出鱈目。
それが重く残虐非道な強盗映画の息抜きになっている。
脚本家としても高く評価された彼は
此の後クリント・イーストウッドに「アウトロー」
ジョージ・ルーカスに「レイダース失われたアーク」を提供している。









MUSIC  VIDEO傑作選#21
The Alan Parsons Project - Don't Answer Me 
アラン・パーソン・プロジェクトは英国の名前通りのプロジェクト。
プログレシブ・ロックの流れを組む多重録音の大掛かりな音色と裏腹に、此のアメリカンコミックのチープな漫画映像は可成りインパクトが有った。
ワザとフルアニメでは無く日本が始めたリミテッドアニメの手法が成功した鍵だろう。

MUSIC  VIDEO傑作選#20
David Bowie & Mick Jagger - Dancing In The Street (Official Video)

まだボウイもミックも元気だった頃
モータウンの名曲を2人がカヴァーした此のヴィデオの出来にはブッ跳んだ。
2人とも当時とっくに盛りは過ぎている筈なのに何だ此の勢いは?とビックリしたものだ。世界のポップス界をリードしてきた2トップの底力は流石!


2020年7月13日月曜日

MUSIC VIDEO傑作選#19
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Janet Jackson - Got Til It's Gone
ジャネットは兄マイケルの後を追いかけ成功していたが
当時気鋭の監督マーク・ロマネクによる演出で
ちょっとだけ彼女独自の世界を見つけた様な気がした。
舞台をアパルトヘイト時代の南アフリカに設定
ラウンジシンガーのジャネットが歌う此のヴィデオは
彼らのアイデンテティやルーツが色濃く出て
所謂プロモーション・ヴィデオの枠を超えていた。
私は此のヴィデオを肌の色が違う人々に紛れて
アムステルダムの酒場のモニターで観て、釘付けになった。
昨日のブルース・ウェーバーと同じ様に
エキストラを上手に遊ばせた演出と編集、映像の美しさは
今でも素晴らしい!






2020年7月12日日曜日

MUSIC VIDEO傑作選#18
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Being Boing Pet Shop Boys 
此のヴィデオも実はカメラマンのブルース・ウエイバー作品。
モノクロームで撮られたペット・ショプ・ボーイズの世界は
燦々と太陽を浴びながらも、どこか怪しげ。
特にパーティー・シーンは臨場感があり
観るものは、さながら現場に立ち合わせた様。
そういえば途中階段でダンスを踊る背の高いチリチリ頭の男は
その後、”ブラザー・イン・ジャズ”というユニットを組んで
来日し、PARCOのCMに出演した。
一日中踊っても全然疲れを見せぬタフな男たちであった。




MUSIC VIDEO傑作選#17
Black - Wonderful life
"ブラック"と言う名前は誰も覚えて無いだろう。
彼は所謂、一発屋と呼ばれるジャンルに入れられる。
それでも私の記憶にしっかり残ったのは此の映像。
ブルース・ウェーバーが撮った様なモノクロのトーンと
静かな曲調が見事にマッチしている。