2024年1月21日日曜日

「あなたを抱きしめる日まで」(2013):スティーブン・フリアーズ監督作品
此の監督は1985年の「マイ・ビューティフルランドレッド」でブレイクした
演出力を高く評価されるベテラン英国監督である。
その彼が俳優であり脚本家でもあるスティーブ・クーガンの
持ち込み脚本を映画化した。
そして今や007の”M”として人気実力とも英国トップ演技派女優
ジュディ・ディンチを主演に迎えて、脚本を持ち込んだ
スティーブ・クーガンを狂言回しに物語は展開する。

ジュディの役は十代で未婚の母となった彼女が
収容されたカソリックの修道院は、厳しい戒律の元
息子と面会出来るのを楽しみに暮らしていたのを
ある日突然、子供が養子として連れ去られ、その消息も分からないまま
歳月が過ぎ、彼女も結婚、娘も大きくなったが、
忘れられないのは連れ去られた息子の事。

その娘が母親の気持ちを思い、TV司会者でジャーナリスト役の
スティーブ・クーガンを紹介する。
彼は失言が原因で司会者を首になったばかり
暇つぶしにと請け負った此の養子の行方に探しにめり込み
微かな情報を元に米国の養子先を突き止める。

果たして、子供は裕福な夫婦に育てられ弁護士になり
レーガンとブッシュの米国大統領の顧問に成っていた・・・
が、しかし既に亡くなり、それでも生前の様子を知りたいと
彼のパートナーを探すも会って貰えない。
困惑する母親とジャーナリストの二人のやりとりが
リアルな台詞と演技で面白いし
ジュディ・ディンチの演技には誰もが泣かされるだろう。

此の作品でスティーブ・クーガンは英国アカデミー脚本賞。
カソリック教会を痛烈に批判したラストは意外な結末となるが
それは観ての・・・。

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