「森の王 森の声ラウテ」
インドから離れて同じ様にヨーロッパで移動生活しているのは
”ロマ”と呼ばれる所謂ジプシーで、ルーマニアやブルガリアと
主に東ヨーロッパを起点に移動しているが
此れはヒマラヤの麓ネパールの森林地帯で移動生活をする
民族集団”ラウテ”を追った記録映像。
此の現代文明社会に太古の昔からと思える森の中での
彼らの生活様式は当に奇跡そのもの、とても興味深い。
大人は森の木を倒して、家具や器を作って
移動した土地の人々と物々交換で食料を得ている。
その匠の技は”ロマ”が鍋釜の金属加工で
行く先ざきで物々交換して生計を立てていたのと同じ。
インドとネパールは近いから多分ルーツは同じだろう。
日本から彼らの暮らしを撮る取材班が入って数十年
その原始の暮らしも流石に少しずつ変化して来た。
ネパール政府が現在140人しか居ない民族の減少に
歯止めをかけようと貨幣で資金援助をして来たのだ。
此れに無知な彼らは、その資金を貯める事なく
此れぞ天の恵み!と町へ出て
酒を買い、昼から酔っ払って使ってしまう。
エスキモーやインディアン達の先住民族の行動と同じだ。
教育を受けてない彼は貯蓄という概念を知らないのだ。
そう元々狩猟民族は肉を塩漬けして少しずつ食べることは
知っていても貨幣の使い方は解らない。
更に政府から定住を勧められ、家と土地を与えられても
彼らの仲間は文字を読めず、その無知故に
その土地すらも簡単に売ってしまう。
取材班は最初に出会った1人の少女を成長を追う。
その彼女は生活力が有り、母親のいない家族を
面倒をみてるのだが、取材班を含めた文明との接触で
少しづつ心境の変化を見せ始める。
今の移動生活の不安定さ不自由さに町に出て
普通の住居に住みたいと・・・
そう彼女はスマホやTikTokまで知ってしまったのだ。
番組は、その部族全体の新しい森への移動で終わるが
多分、彼女はもう気持ちは家族から離れているだろう。
文明とは残酷なものだ。
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