42 世界を変えた男;ブライアン・ヘルゲランド監督作品
此の脚本監督は前々回のアンジェリーナ・ジョリー主演の
スパイ映画「ソルト」の演出力は見事であった。
此方はそれと全く違うアフリカ系アメリカ人(今は黒人をそう呼ぶ)
初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンの伝記映画。
タイトルの頭に”42”とあるのは彼の背番号。
それは現在プロからアマチュア全てのチームで永久欠番である。
それだけアメリカで彼の功績が大きいと言う事だ。
でも主役は彼だが同じ比重で白人のゼネラルマネージャー
ブランチ・リーの存在が描かれる。
此れを”インディジョーズ”のハリソン・フォードが演じ
最初、似ているが、違うように見えた
70歳を過ぎて豊麗線も落ちたハリソン・フォードは
アクションヒーローの顔ではなくて
ビジネスマンのそれ、そう当初、彼は”此れから
メジャーリーグにも黒人選手を入れてチームを強くして金儲けだ!”と
黒人選手を入れるのを反対する回りの者のを説得する。
時代は人種差別の真っ只中、アメリカの公民権運動が起こる
ずっと前の話だから。
彼と一緒にプレイは出来ない!と他の白人選手が辞めてくれと
嘆願書を出すは、無理矢理チームに入れてからも内輪揉め
試合が始まったら始まったで、球場に”ニガーコール”
相手チームの監督は白人至上主義
アフリカに帰れ!だの、黒猿だのと執拗な野次。
此の憎々しさは逆に味方チームを団結させるのだが。
とりあえず主役のジャッキーを演じるチャドウィック・ポーズマンは
入る時のマネージャーとの約束で”耐える勇気を持て”に
まさに血の出るような我慢を強いられる。
もう映画を観てる此方が、そのヤジや差別に
限界を超え殴りかかりたくなる。
此の俳優チャドウィックの我慢の挙句の爆発演技が凄い!
そう此の映画は「アラバマ物語」「野のユリ」いや
それより彼をユダヤ人に例えれば「シンドラーのリスト」に近い
同じ人間なのに肌の色だけの差別と迫害は不条理そのもの。
それでもジャッキー・ロビンソンは耐え
次々に記録を打ち立て全米の野球ファンの伝説となる。
そろそろWBAの興奮も冷めて来たが
此の映画に本当の野球の面白さ=チームで勝つ!を
改めて思い起こさせた。
(ネタバレ注意!)
彼をメジャーに呼んだのはハリソン・フォード演じるG.M.が
大学時代バッテリーを組んでいた黒人キャッチャーを
他の白人選手からの迫害から守れなかったからと言う告白に泣けた。
人は、それぞれやり残した事に落とし前をつけるんだな。
アクションヒーローも良いが歳を重ねて深みのある演技の
ハリソン・フォードは現在80歳。
なんだ私とそんなに違わないじゃ無いの(笑)


 
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