「ホステージ」(2005):監督フローラン・エミリオ・シリ
今年の3月に失語症を理由に俳優を引退したブルース・ウィルス主演の
ポリスアクション映画である。
「ダイ・ハード」シリーズは5作も作られ
どんな強敵にも負けなかった筈の彼も
加齢からの病魔には勝てなかったと思える。
此の作品も先の”ダイ・ハード”シリーズの延長上に有り
名前こそジョン・マクレーンではないが
女房と娘が居て、その関係は離婚寸前という所も同じ。
ただ”ホステージ =人質”が現場と自分の家族と
Wに捕られているところが話を面白くしている。
面白いといえば3人組の若者の強盗が押し入った豪邸は
偶然マフィアの会計人の家で、彼等はその娘と少年を人質に立て籠る
マフィアの会計人は帳簿をDVDに隠していて
それを奪還すべくマファイアの親玉は
ブルース・ウィルスの家族を誘拐して、それを人質に、
そのDVDを取ってこいと命令するというややこしい展開。
要塞の様な豪邸にTVモニターが何台も設置され
敵も味方も動きが取れずブルース・ウィルスは
今度こそ絶体絶命のピンチ。
しかも犯人の1人は人を殺すことに快感感じている
サイコ系の変質者だから元交渉人という設定の彼も
どうする事も出来ない。
しかし救いは人質の少年が”ホームアローン”ばりに
自分の家を知り尽くしていて強盗達に気付かれずに
家を移動して彼等の情報をブルースに報告する。
此のやりとりが凄惨な話の中で救われる。
凄惨というのは、そのサイコ野郎は頭が良く
ブルースの先を読み、豪邸を火の海にしてしまう。
その容貌は若き”キリスト”の様でも有り
炎に包まれた娘は”マクダラのマリア”の様にも見える。
監督フローラン・エミリオ・シリはフランスの監督兼脚本家
「スズメバチ」(2002)の演出で製作のブルース・ウィルスが抜擢した。
冒頭のタイトルから巨大な豪邸ロケセットの爆発まで
そのダイナミックな演出力はとにかく素晴らしい。
ところで”失語症”になっちゃったブルース・ウィルス。
もう台詞無しで良いからスクリーンに戻って来て欲しい!
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