バルカン半島音楽(最終回)
とかく領土争いの絶えぬ地域の此の半島
その度に人々は入り混じり音楽も入り混じり
様々な曲が生まれた。
その中でも私の記憶に残ったのは此の曲。
そして、それを作曲したこの人。
アントン・パン(1790~1851)
彼はオスマン帝国時代のブルガリアに生まれている。
父親は錫細工のバケツ職人というから多分”ロマ”だね。
母親はギリシャ系。
初等教育を受けている頃ロシアとトルコが戦争を始め
家族はベッサラビア今のウクライナに引っ越すが
そこでも戦争が起こりロシア兵となった兄二人は戦死
家族はルーマニアの首都ブカレストに移住する。
その地で彼はルーマニアのロシア正教の聖歌隊に入隊
そこで合唱活動と墓掘人夫をしながら音楽を学び
その後も戦乱が続くルーマニアを転々としながら
此の様な歌を数々作曲し楽譜を几帳面に残した。
彼の音楽は当に彼のルーツ、バルカンとにギリシャ正教音楽が入り混じり、
そこに又、彼の地の不幸な歴史が
哀愁となって漂う。
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