今日の一曲で”TRAIN SONG”をやっているが
偶然、BSで先日やった「Stanger On A Train」が面白かった。
原作は「太陽がいっぱい」の女流作家パトリシア・ハイミスで
此れはそれよりも先に発表されていて
「長いお別れ」の」のレイモンド・チャンドラーが脚色したという
何とも贅沢なヒッチコック作品。
だから台詞も洗練されていて緊張感が途切れない。
話はスリラーには良くある交換殺人。
偶然、列車に乗り合わせた他人同士が、お互いに殺したい相手を
交換しようというのだ。
それを言い出したのがブルジョワの息子。
その相手のテニス・プレイヤーの不倫の子を宿したの妻を
殺してやるから、お前は自分の父親を殺してくれと持ちかける。
テニス・プレイヤーは冗談だと思い相手にしないが
ブルジョワの息子は勝手に、その妻を探し出し
遊園地の池の畔で首を閉めて殺してしまう。
さあ次は、お前が自分の父親を殺す番だと
しつこくテニス・プレイヤーに付き纏う。
此の映画ヒッチコックのキャスティングの目は確かで
此のブルジョワの息子役をロバート・ウォーカーという俳優が演じる。
此の俳優は、それまで無名だったが、
あの美人女優ジェニファー・ジョーンズの夫。
そのジェニファーと二人はニューヨークからスターを夢見て
ハリウッドに進出して来た。しかし彼女は
「キングコング」「第三の男」「終着駅」の大プロデューサー
デヴィッド・O・セルズニックに見染められ、不倫関係となり
それに気づいたロバートはアルコール中毒となり情緒は不安定。
出来ればセルズニックかジェニファーを殺したいと
思っていたかもしれない。
まさか、その狂気をヒッチコックが見抜いたとは思わないが
果たしてロバート・ウォーカーは此の殺人者役を見事に演じ切り
一躍、スターとして脚光を浴びたが、映画の公開直後32歳で急死。
死因はアルコールと薬のアレルギー反応と言われている。
遊園地の回転木馬の暴走シーンや
サスペンスの盛り上げ方に流石ヒッチコックと思わせる
見せ場が沢山あるが何よりロバート・ウォーカーの
危ない演技が必見!
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