2021年1月1日金曜日

日本映画におけるアロハシャツの歴史
「ハワイの夜」(1952)
当時、人気絶頂だった鶴田浩二が独立プロで制作した
此の映画は、その頃は珍しいハワイロケして大当たりした。
しかし、当時のハワイには今となってヴィンテージの
面白いアロハが沢山有ったと思われるが
今の常磐ハワイアンのユニフォームの様な柄しか出てこない。
「ハワイの若大将」(1963)
此の作品でも、加山雄三は自慢の胸毛を見せるのに夢中で
敵役、田中邦衛の青大将も平凡なアロハだ。

しかし、それに先んじる事7年前に
アロハシャツの魅力に目をつけていたのは
日本ファッション業界草分けの森英恵さん。
石原慎太郎が弟の裕次郎をモデルに書いた「太陽の季節」は
映画化され、その役を長門裕之に演じさせたものの
次の「狂った果実」(1956)
慎太郎自身の役を裕次郎が演じ、裕次郎の役は
当時まだ素人だった津川雅彦に演じさせた。
どちらの映画もフランスでは”アプレゲール”
日本では”太陽族”と呼ばれた不道徳な若者を描いたもの。
前作「太陽・・・」では平凡だったアロハを
日活気鋭の新人監督・中平康が
当時の映画界では珍しいデザイナー森英恵を起用した。
それは今見ても斬新なデザインばかり
全部集めれば先の茅ヶ崎ミュージアムの
ヴィンテージアロハ展に並んでるはずだ。
映画としては、演技力のない俳優同様まだ荒削りで
音楽に佐藤勝、武満徹と後の日本映画音楽を代表する二人が
参加してるにも関わらず完成度が低く観てるのが辛いが
フランソワ・トリフォーが高く評価したという
それまでの日本映画になかった新しい波=ヌーベルヴァーグが
先に日本に起きていたことが面白い。


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