2021年1月10日日曜日

ちあきなおみ MY BEST-10
夜へ急ぐ人:ちあきなおみ
去年亡くなった筒美京平が生前インタビューで
シンガーソングライターの登場が私の脅威だったと。
ヒットさせる事を目的としたプロにとって
私的な世界を自由に描く彼らは、
確かに筒美には理解出来ない存在だったのだろう。
ちあきも、その当時自分が歌い歌は何か?を
模索していて、その世界に踏み込んでいた。
彼女は曲は書けないから、それらを聴き込んで
一番ハードルの高い友川カズキに出会った。
彼はフォークの三上寛と同じ東北出身。
詩人・中原中也を愛したところも同じ
見事な?東北訛りでシュールな歌詞を歌っていた。
流石に、ちあきは東北訛りまではカヴァーしなかったが
その世界を彼女なりに”自分のもの”とした。
そして紅白歌合戦を炬燵で観て、大晦日の除夜の鐘まで
ウトウトしてきた親父を、おいでおいでと手招き
寄り目パフォーマンス付きで歌ったのだ。
何だ此れは?と茶の間は家の外より凍り付き
司会の山川静夫は”気持ちの悪い歌ですね”と
台本に無い、本音を言ってしまった。
今ならビリー・アイリッシュ、椎名林檎あたりが普通に歌う歌詞だが
本家・友川カズキより、リアルな演劇空間
NHKホールが、早稲田小劇場と化し
白石加代子の”劇的なるものをめぐって”と成った。

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