フランシス・レイ作曲集 #12
「愛と哀しみのボレロ」(1981) ”ママの想い出”
まずは映画の概要から
監督のクロード・ルルーシュの24作目。
彼のキャリアで、一番脂の乗り切った時期に当たり、
時間も資金も掛けた大作(185分)である。
「男と女」(1966)以来コンビを組んできた作曲家フランシス・レイと、
ミシェル・ルグランを共作させた珍しい作品でもある。
そう、物語にカラヤンやグレン・ミラーにエデット・ピアフまで
そう、物語にカラヤンやグレン・ミラーにエデット・ピアフまで
モデルにした人物を登場させているから監督ルルーシュは
クラシックやジャズの専門的な知識の必要に迫られたと推察する。
それでもフィナーレの”ラベルのボレロ”はルグランの編曲は明らかだし、
それでもフィナーレの”ラベルのボレロ”はルグランの編曲は明らかだし、
アコーディオンが奏でる曲は元々ストリートミュージシャンとして
街頭で、それを演奏していたフランシス・レイだろうと思うが・・・。
しかし、レイのメロディをルグランがアレンジしたり、
ルグランの曲をレイがアレンジしたりと素人の私が推察して
全曲どちらの作曲か?判りにくいのは
レイ&ルグランが映画音楽のプロであり
作品としての一体感を追求しているからだろう。
自称レイ&ルグランのマニアの私としては
自称レイ&ルグランのマニアの私としては
此の”ママの想い出”のスコアはフランシス・レイのものと断言する。
彼しか書けない哀愁が、そこにあるからだ。
だいぶ前だが、鈴木慶一さんに鈴木杏樹を使ったCMの音楽を頼んだとき、
だいぶ前だが、鈴木慶一さんに鈴木杏樹を使ったCMの音楽を頼んだとき、
資料に、こんな感じでと此の曲を付けたら、
彼はフランス人の女の子に歌わせ、見事に洒落た曲に仕上げてくれた。
映画の中で此のメロディーは何度も繰り返し出て来る。
アウシュビッツに送られる列車でユダヤ人の母親が
映画の中で此のメロディーは何度も繰り返し出て来る。
アウシュビッツに送られる列車でユダヤ人の母親が
赤ん坊を線路に置いて命を守る場面。
その後、収容所から生き延びた母親が子供を探す場面。
そして既に老いて記憶が無くなっている母親と息子が再会する場面。
それらの場面にリフレインされる此の旋律には
その後、収容所から生き延びた母親が子供を探す場面。
そして既に老いて記憶が無くなっている母親と息子が再会する場面。
それらの場面にリフレインされる此の旋律には
誰もが泣かされた筈だ。
とにかく1930年から1980年の半世紀に渡る
とにかく1930年から1980年の半世紀に渡る
4都市2世代4家族が交錯する物語を描いた此の作品、
実は監督ルルーシュが自らユダヤ人としてのアイデンティティから、
満を持して作ったものなので有る。
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