モーリス・ジャール作曲集#19
「ブリキの太鼓」(1979)
こうして19回も続けると流石に彼の作曲に
マンネリを感じて来ただろうが
此の映画に付けた音楽は、それまでのものとは
全く違う攻め方をしている。
前衛作曲家の実験音楽の様に
楽器も南半球アポリジニのそれや
何か解らない音の要素も盛り込み
しかし、メロディーは東欧の重い雲を感じさせ
ナチス・ドイツが台頭する正にその時代を
オスカルという不思議な少年に導かれる様に
音楽で表現している。
そして全編んを通じて漂う哀愁は
此の監督フォルカー・シュレンドルフの主題を伝えるものだ。
ドイツ人ながらフランスに留学、ヌーベル・ヴァーグの監督たちの
助監督を経て、満を持してギュンター・グラスの名作を映画化した。
その完成度はまさに傑作としか言いようが無い!
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