ジョルジュ・ドルリュー作曲集
かくも長き不在 (1961)
ジョルジュ・ドルリュー作曲集 その3
かくも長き不在 (1961)
此の監督アンリ・コルピは、若くして映画雑誌を創刊したり、アラン・レネ監督の「二十四時間の情事」「去年マリエンバード」に編集で参加し、ヌーヴェルヴァーグを裏方で支えた人として知られる。
その彼が満を持して監督したのが此の作品。
脚本は先のアラン・レネ作品と同じ
女流作家マルグリッド・デュラス。
先の2本ともアンチ・ロマンの作風で知られるが
此の脚本は反戦映画である、
それも声高かに訴えるのでは無く
コラ・ヴォケールの歌うシャンソン
”3つの小さな音符” つまりワルツで、とても静かに。
此の歌の作詞は監督のアンリ・コルピ
そして作曲がジュルジュ・ドルリューなのだ。
酒場の女主人が出征したきり戻らない夫と
余りにも似ている浮浪者を見付け、店に招き入れ
彼女は夫と確信するが
彼には目の前に居るのが妻と判らない
記憶喪失らしいのだ。
食事と酒をふるまい、ジュークボックスの曲に合わせ
ワルツを踊り、彼の後頭部に手を触れると
そこに傷跡が・・・何と切ない再会であろうか。
此の作品、カンヌでパルムドールを取っている。
あの山田洋次が何処かの映画祭で一人ぽつんとして居た
アンリ・コルピを見付け,駆け寄って
”貴方の此の作品が大好きです”と握手を求めたら
彼は涙を流して喜んでくれたと何時か話していた。
イーストウッドやウディ・アレンの様にヒットを連発する
監督もいるが、彼は此の作品1本で
映画史に残る人である。
ドルリューは「二十四時間の情事」「大人は判ってくれない」「かくも長き不在」と
デビューから3本すべてが
映画史に残る作品を担当した事に成る。
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