ブラック・ドッグ(1998)
主演のパトリック・スウェイジのファンなので
オンエアに録画して観た。
「ゴースト/ニューヨークの幻」で
死んで幽霊になっても妻を守る夫
「ハート・ブルー」ではサーファーながら
趣味で銀行強盗をする男
「3人のエンジェル」ではウエズリー・スナイプス等と
マッチョな女装ダンサーを演じ
その演技力には、いつも圧倒されてしまう。
此の映画では大型トレイラーの運転手だったが
死亡事故を起こし、刑務所入り
その事故の原因は長距離運転中にドライバーが
よく見ると言う黒い犬の幻覚
題名”ブラック・ドッグ”の由来は、それから来ている。
彼は今、免停で車の修理工をしているが
服役している間に家のローンが払えず
差し押さえに成っていたのを知り
一度は断った修理工場のボスから依頼された
多額の報酬が得られる
”怪しげな荷物”の運搬を引き受ける。
アトランタからニュージャジーまでの長距離運送
免停がバレレばアウトの危険な仕事。
しかも如何わしい同乗者や護衛車が付いて。
最初に彼の脇に乗ったのは歌手志望の男
此れを有名な本物のカントリー歌手
ランディ・トラヴィスが渋く演じる。
面白いのは彼にヤバい仕事をさせるのが
やはりヘヴィー・メタル界では有名なミート・ローフ
此の二人の競演で良く練られたシナリオ以上の
キャスティングの面白さが出た。
パトリック・スウェイジは、どの作品でも
ギリギリに追いつめられても
大魔神の様な形相で反撃に出る男が似合うが
此の映画の、もう1つの主役が彼の運転する大型トレイラー。
- キャタピラー製モデル3406直列6気筒エンジン、イートン・フューラー製10速ミッション63インチ・スリーパー、排気ブレーキ。・・・と書いても解らないだろうから写真は此れ!
殆ど、長い戦車!
その馬力とスピードが走り出したら止まらない迫力なのは
スピルズバーグの出世作「激突!」やペキンパーの「コンボイ」と
車好きの映画ファンには溜まらない筈。
そうでも無い私でさえ”凄え〜ッ”と口をあんぐり。
”怪しげな荷物”は中国から密輸された銃器。
それを横取りしようと追って来た奴らとの
カー・チェイスに、銃の撃ち合いはスリル満点。
特にバレエ・ダンサー上がりのパトリックらしい
走行する車の連結部分でのキレの良いアクションが魅せる。
此の映画プロデュースは娯楽映画の神様ディノ・ラウンティスの娘
バンバン大型車をぶつけては壊し炎上させる
流石に壷を抑えた金の掛け方で楽しませる。
もう1つ面白いのはミートローフ演じる悪の総元締。
此れが熱心なキリスト教徒で途中
やたら、聖書の言葉を引用し笑わせる。
しかし主役のパトリックは我慢に我慢を重ね
ついに妻と娘を奪い返したと思いきや・・・。
此の先は観てない人の為にナイショ。
監督のケヴィン・コックスの情報は無いが
スピーディーな巧い編集で才能を感じる。
此れが日本で話題にならなかったのが不思議なくらいだ。
それにしても、パトリックの怖いくらいの迫力のある
演技が、もう観られないのは残念。
2009年に癌で亡くなっている。
「ゴースト」の様に、幻でもイイから戻って来て欲しい!
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