村上海賊の娘(上下巻):和田竜
だいぶ前”本屋大賞”を取った時、
月並みに煽られて購入したものの
文章が読みにくい事おびただしいので早めに
こりゃダメだとストップして居たが、
ほぼ1年掛かりで先ほどやっと全部読み終えた。
だいたい私は老眼プラス乱視なのに此んな長編
(それは自分の都合だろう!)
やたら物語の途中で、取材の成果を見せつける様に
日本史の記録や解説を必要以上にインサートるから
話のテンポが悪く、イメージを掴むのに苦労する。
たとえ掴めても登場人物の名前が
主役の娘・景を始めとして
村上武吉、吉継、吉充、元吉、と吉だらけに
戦国の武将の名前が真鍋七五三兵衛・道夢斎
小早川隆景,乃美宗勝、児玉就英うんぬん
漢字を並べられても混乱して覚えられるものでは無い。
はっきり言って”下手な作家”と云わざる得ない。
それでも”本屋大賞”を得たのは、その主題
時代劇小説には珍しい海賊の話だからだろう。
本屋は此れぞ”海賊ブーム”と、売りまくり成功した。
確かに最近でこそ
映画「パイレーツ・オブカリビアン」シリーズで
海洋活劇は見慣れているが、暫くは殆ど無かった。
だいぶ昔、私が子供の頃、観た東映時代劇
「風雲くろしお丸」(伏見仙太郎主演)いや
「十兵衛暗殺剣」(近衛十四郎主演)が、そうだったな。
ともかく、海賊ものは嫌いな方では無いので
我慢して此の本、最後まで何とか読んだが
史実をあれこれ並べ立てる割には
話は荒唐無稽、漫画雑誌の劇画原作の様。
まあ,先日読んだ高田郁「澪つくし」しかり
今は此の様な派手な展開が受けるのだろう。
しかし,「澪つくし」の著者・高田郁の場合は
読み易さを前提に書かれた文章だ。
此の和田竜の文章は、その全く逆
フィルムに傷が入り、途中でそのフィルムがチョン切れ
良く音声の聞こえない保存状態の悪い活動映画を観てる様だ。
”それが俺のスタイルだ!”と作者に開き直られば仕方が無いが。
一応,長編小説と云えど
手短に話してしまえば5分と持たない単純なアクション物。
同じ作者の「のぼうの城」は映画化されたが
スペクタクルと触れ込みの割には、ちゃっちい内容だった。
これも恐らく映画化されるだろうが、私は観たくも無い!
・・・と此れだけ悪口を言えば
皆さん読む気にはならないだろうね。
まったく酷い書評だな(笑)
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