2022年2月9日水曜日

今日の1曲で”ロマ”のシリーズを始めたので
それを扱った映画を再公開
狼は天使の匂い (1973)
このポスターの顔ぶれを見ても
何処の国の映画か解らないだろう。
「ワイルドバンチ」のロバート・ライアンに
「男と女」のジャン=ルイ・トランティニアン
他にもレア・マッサリという顔の真ん中に
大きなホクロのあるイタリア女優。
監督は「太陽がいっぱい」「雨の訪問者」
そして「パリは夜霧にぬれて」と
スリラーの得意なフランスの名匠クネ・クレマン。
トリフォーの「ピアニストを撃て」の原作も書いた
デヴィッド・グッディスの「暗い日曜日」を映画化した。
舞台はカナダのモントリオール。
其処は英語とフランス語が入り乱れるバイリンガル都市。
主人公は何故か、ロマ(ジプシー)に執拗に追われる。
そのジャン=ルイ・トランティニアンはパイロット
ヘリを墜落させロマの子供達を沢山殺してしまった。
その復讐にロマ達が彼を追い、フランスに居られなく成って
カナダのモントリオールへ逃げたのだ。
ロマは東ヨーロッパを中心にフランスからスペインまで
移動する民族だが、カナダはフランス語が使えるので
彼等の組織は繋がっている。
執拗な追跡に主人公はモントリオー万博会場に紛れ込むが
そこで殺人事件を目撃し、その一味に拉致されてしまう。
その一味はロバート・ライアンをボスとする
寄せ集めのギャング団。
殺された男の持っていた大金大金の行方を主人公に迫る。
口を割らない主人公に女(レア・マッサリ)の色仕掛けや
ギャングにロマと、まったく逃げ場の無い主人公は何時しか
他のギャングの生き証人強奪の計画に巻き込まれる。
その証人は病院に居て、その隣りのコンサート会場から
侵入するので、ポスターの男たちがタキシードを着ている。
結局計画はギャングの仲間割れで挫折するが
残されたボスと主人公に不思議な友情が芽生える。
此のボス役のロバート・ライアンは
此の1年後に63歳で亡くなっている。
様々な西部劇、戦争映画の脇役としての渋い演技は
名優として私の記憶に残って居る。
此の映画に監督ルネ・クレマンは
原作にあったのか幾つかの寓話を盛り込んでいる。
何度見ても謎の解けない、ビー玉の転がるシーン
不思議な魅力の作品だ。


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