2013年10月11日金曜日

夕陽のギャングたち: エンニオ・モリコーネ
レオーネ&モリコーネで始まった此のシリーズだが
今日は昨日の大作「ウエスタン」に続く、そのコンビ
ハリウッド西部劇第2弾の「夕陽のギャングたち」
じっくり、レオーネが脚本を練り込んだ
得意のメキシコ革命もの。
それは先日の映画「群盗、荒野を裂く」同様
ロケ地スペインの映画村が”メキシコ仕様”だったので
”マカロニ”には何度も描かれた設定だが
此の作品は本場アメリカ・ロケで撮影されている。
そしてロケはアイルランドにも・・・というのは
アイルランドの爆弾テロリストが出て来るから
話は、そのテロリストと駅馬車強盗の友情物語。
強盗を如何にも粗野な親父顔のロッド・スタイガーと
インテリ風のクセ者ジェームス・コバーンの競演という
意表をついたキャスティングで見せる。
ロッド・スタイガーはアカデミー男優賞を取った
「夜の大捜査線」(1968年) でシドニー・ポワチエ相手にも
似た様なキャラクターを演じたがアチラは警官
コチラは正反対の強盗というレオーネの遊び。
一方、ジェームス・コバーンはロング・コートの中に
ダイナマイトを背負った謎の爆弾テロリスト。
その訳ありの過去が映画の進行に連れて明かされて行く。
とにかく西部劇にしては奇想天外な展開
強盗親父は金品強奪だけでなく、立ち小便はするは、
レイプはするはと、とんでもない奴。
テロリストはドカン、ドッカ〜ンと無闇やたら爆弾を仕掛け
さて、どっちがイイ方か?悪い方か?サッパリ判らない。
観る方は、あっけに取られるばかり・・・そして長〜い!
ナント157分という大長編だから見応え充分。
レオーネが「アラビアのロレンス」のデビット・リーンに
憧れていたという話は昨日したが、スケールに於いて
でも、映画のコアの部分は男同士の”裏切り”に、
その”落とし前”の付け方。
これでもか?と、スタイガーとコバーンの感情表現の
クローズ・アップが大画面いっぱいに映し出され
朗々と歌い上げるモリコーネの美しいメロディは
”男と男の情念=エモーション”を極限まで高め
日本のヤクザ映画の様な”怪しいムード”が漂うほど。

此の作品で音楽担当のモリコーネは
人間の肉声を楽器の様に使い、女性コーラスの美しさと
ション、ション、ションという変化球の男性コーラスの
バランスが不思議な効果を上げている。
こうして、改めて映画全体を観て、聴いてみると
”ふたりのマエストロ”、モリコーネ&レオーネは映像と音楽の
実験を重ねていたチャレンジャー・コンビだった事が解る。

此れに続き彼らは
「ワンス・アポンナタイム・イン・アメリカ」と云う
米国イタリア・マフィアの歴史大作が有るのだが
取り敢えず西部劇は此れでお終い・・・と云う事は
”マカロニ・ウエスタン特集”も此れでお終い。
少しは皆さんの西部劇映画選びの役に立ったかな?

まあ、無理だろうね、実は私も”荒野に”用心棒”
”夕陽”に”ガンマン”そして”一匹狼”と、もう
頭がグチャグチャに成っているからね(笑)
とりあえず判らなく成ったら
”マカロニ・ウエスタン総括”を更に加筆しているので
”キネマ通り”を、もう一度覗いてみて下さい。

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