2024年9月5日木曜日

 

前回に続いてイーストウッドの監督主演した「アウトロー」(1976)から
建国200年を記念して下火だったアメリカ西部劇を復興させようと
イーストウッドは本腰を入れている。
まず”水戸黄門”の様な嘘っぽい西部ではなく、当時の時代考証に
かなり凝った作りは俳優たちが汚れた顔で誰が誰だかわからない程。
でも、西部劇で育った彼ならではキャステイングもコリに凝っている。
時代背景は南北戦争の終結の頃、北軍ゲリラに妻と息子を殺され
復讐に燃える主人公に投降を進める元南軍の将校は
何処かで観た顔だと思ったら
ジョン・ブアマン監督の「ポイントブランク」でリー・マービンに
ビルの最上階から素っ裸で放り投げられたマフィアのボス役ジョン・バーノン
相変わらずの玉虫色役は最後まで効いていた。
そして、もう一人お尋ね者になった主人公に一騎討ちを挑み

あっけなく殺される賞金稼ぎ、1人は此の顔
気持ちの悪い犯罪者をやらしたら当時一番の此の俳優は
名前が出てこないが、その連れで北軍に密告するのが

ペキンパー西部劇の常連悪役J・Q・ジョーンズ。
砂漠の流れ者なんかに出ていた金髪。

とにかく此の映画、名カメラマンのブルース・サーティースが
捉えたアメリカの原風景のような手付かずの荒野や砂漠が
見事な映像になっているにも関わらず、オスカーは
音楽にノミネートだけというのが不思議。
監督としてのイーストウッドの評価は16年後の
「許されざる者」「ミリオンダラーベイビー」以降
此の時、イーストウッドの殺される息子役は
後にジャズミューシャンとなったカイル・イーストウッド。
「硫黄島からの手紙」に素晴らしいスコアを書いている。

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