「怒りの葡萄」(1939):ジョン・フォード監督作品
放送大学231オーディトリアム~米欧映画黄金期への招待~
今回は宮本洋一郎教授の講義
まず教授は此の映画の社会的背景を語る。
当時のアメリカは金融恐慌と凶作が重なり
農民は銀行に土地を奪われ他の地へ仕事を求め
移動するしかなかった。その頃の写真は
女性カメラマンのドロシア・ラングが記録していると。
実は、その写真にインスパイアされて、かなり前だが
某企業の原料訴求CMにハワイのさとうきび労働者を撮った。
CMに過酷な労働者を描くのは今思えば僭越なだが
当時私を含め、スタッフは真剣で特に家族愛をベースにした。
それが小椋佳と美空ひばりの歌 ”愛燦燦”となった。
話が横道に逸れたが
今回の講義で教授は「怒りの葡萄」は
ロード・ムービーの要素を含んでいると。
そう故郷を追われ西へ西へとオンボロ・トラックで
夢のカルフォルニアへ旅する家族が渡る河に掛かる橋は
なんと主人公のヘンリー・フォンダの息子ピーター・フォンダも
「イージーライダー」でデニス・ホッパーと渡る。
流石、アメリカ文学と文化に詳しい教授らしい指摘。
そしてスタインベックの原作と映画のラストシーンの違い。
”民衆はいつまでも生き続けるんだよ・・・”
それを製作者ダニエル・F・ザナックが
監督ジョン・フォード抜きで撮り足しエンディングにしたと。
監督がプロデューサーを無視して撮り足したなら
よく有る話だが、その逆だったとは!
その台詞を言った肝っ玉母さん役ジェーン・ダーウェルは
その年のアカデミー助演女優賞に輝いた。
やっぱり放送大学231は勉強になるな。
0 件のコメント:
コメントを投稿