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利休:武満徹
茶道の創始者・千利休は草月流家元の家系・勅使河原宏にとって
華道、茶道の違いはあるが特別興味の有るテーマであったろう。
彼のデビュー作の「ホゼ・トーレス」以来
全作品の音楽を担当していた作曲家・武満徹にとっても
それは”あ・うん”の呼吸とも云うべきもので
実に的確な音楽が付けられている。
まず、利休の時代、つまり中世の西洋音楽を武満徹が
モチーフにしている処がポイントだ。
邦楽でも現代音楽でもない、なぜ宮廷音楽なのか?は
信長、秀吉が権力を握っていた時代
同じ様に西洋では教会や王宮等がスポンサーになり
管弦楽の演奏者を雇っていたからだ。
その音色から漂う香りは中世のものと云うべきか。
そして利休と、それらの権力者との対立は
鋭角的な武満得意の現代音楽
ミュージック・コンクレートで象徴し
音楽として全く隙の無い完璧な構成だ。
映像も音楽もモダニズムに溢れた
勅使河原と武満との究極のコラボレーション作品と
云えるだろう。
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