フランコ・ゼフィレッリ作品集
昨日のヴィスコンティの助監督をしていたのが
此のフランコ・ゼフィレッリ。
主にモブシーン(群衆場面)の演出を任されていた様だ。
それだけに無駄の無い合理的な場面構成は見事で
それだけでなくヴィスコンティから受け継いだオペラの演出は
未だに今ほとんどのイタリア・オペラの演出が
”ゼフェレッリ演出を本(もと)に”のサブ・タイトルが入っている。
でも彼はヴィスコンティとは違い、貴族の出身ではなく
洋服の仕立て屋の息子だったとは
彼の著書「ゼフィレッリ自伝」に書かれている。
その父親が時代の読める人で、彼に徹底した英語教育をしたため
完璧なイタリア&英語のバイリンガルと成った。
だから戦争中はレジスタンスで米軍と繋がり
戦後も通訳として活躍したらしい。
彼を有名にした「ロミオとジュリエット」も
シェークスピア劇にオリヴィア・ハッセーなどの
青春スターを大胆に起用し、それも
英語映画だったので世界市場の大ヒットとなった。
古典劇を現代の観客に如何に面白く見せるか?の才能で
彼の右に出る監督は恐らく居ないだろう。
メル・ギブソン主演の「ハムレット」も
背景のディテールに拘った画面構成と迫力は
数々の「ハムレット」映画化の中で私のベスト・ワンだ。
物語の本質を捉え、エモーションを最大限に高める
此れは「チャンプ」や「エンドレス・ラブ」で
観客の目を涙で溢れさせる技を彼が持っている証拠だ。
自分の少年時代を映画化した「ムッソリーニとお茶を」は
シェールやジュディ・ディンチ、マギー・スミス等の
名女優を使ってノスタルジー溢れる作品と成っている。
オペラを通じたマリア・カラスとの交流で
「永遠のマリア・カラス」も撮ったが
それ以降の作品が途絶えているのが淋しい。
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