2014年5月16日金曜日

クロード・ルルーシュ作品集
前回のリノ・ヴァンチェラの作品を
撮ったクロード・ルルーシュの監督スタートは
あの♪コメ・ノ・ダバダバダ・・・の「男と女」
カンヌ映画祭でパルムドール、米国アカデミー外国映画賞と
一夜にして名実共に世界映画市場のスター監督と成った。

それは彼がパリのエッフェル塔などに設置された
1コインの動く”ノゾキからくり”から始めた
映像と音楽の融合=今ならヴィデオ・クリップの
集大成でもあった。

台詞(セリフ)以上に雄弁な
音楽(ピエール・バルー)に付けられた映像の斬新さは
予算上の理由から少数スタッフに監督
自らカメラを回し、ぶっつけ本番そして編集までする
スタイルから生まれたもので
究極の”シネマベリテ”と云うべきものだった。
今思えば、その新しさは映像言語の革命に近かった。

しかしゴダール&トリフォーの”ヌーベル・ヴァーグ運動”に
彼が含まれないのはメッセージ性を全面に押し出さず
ひたすらエンタテイメントに徹していた事
(それが映画評論家には評価が低い理由なのだが)
一般の映画ファンには、面白く楽しく美しく
音楽に酔う様に映像を味わえたのである。
所謂、芸術映画とは違うものだが
観れば、必ず魅せられる軽快なテンポに編集のリズムは
映画を知り尽くした彼ならではの
まさに”ルルーシュの世界”なのである。

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