ホワイトタイガー (ナチス極秘戦車・宿命の砲火)
鉄道マニアと同じように戦車マニアというのが居るらしい。
そんな人は此のタイトルに飛びついてしまうだろう。
何せ第二次世界大戦にドイツが作った最強の戦車なのだから。
ストーリーは戦争末期
ベルリンに侵攻しようとするロシア軍戦車部隊の前に
幽霊のように忽然と現れて
ロシア軍の戦車を悉く壊滅してしまう、恐ろしい此の極秘戦車
その名も”ホワイト・タイガー”と呼ばれ恐れられた。
これは、その砲撃で全身火傷を負った兵士の物語。
しかし此の兵士、その後、何故か奇跡のように火傷が消え
さらに彼には戦車の心が読めるという不思議な超能力を得る。
ロシア軍はホワイトタイガーに対抗するために
新しく頑丈でスピードのある戦車を製造し、その操縦を彼に託す。
その主人公、此の様に何とも頼りない風貌だが、
行動は神がかりで2砲手を従え彼の戦車だけ生き残る。
行動は神がかりで2砲手を従え彼の戦車だけ生き残る。
映画のクライマックスは
ホワイトタイガーvsロシアのT-34/85改良型の一騎打ち。
先に映画「スターリングラード」で独露スナイパー同士の
一騎打ちという作品もあったがコレは戦車。
何となく少年の”戦争ごっこ”の楽しさを掻き立てるが
現実は戦車が破壊され操縦士や兵士は火だるまにされ
東京大空襲やヒロシマ、ナガサキの様に惨たらしく
真っ黒焦げで死んでゆく。
真っ黒焦げで死んでゆく。
戦争アクション映画らしいカタルシスは皆無だから
それを期待して観た人は肩透かし。
それを期待して観た人は肩透かし。
此の監督の本当の狙いは戦争の悪夢の象徴としての
ホワイトタイガーなのだ。
ホワイトタイガーなのだ。
まさに悪魔の様に現れ、殺戮を繰り返し消えてゆく
主人公は此の戦車を追い詰め、破壊したかの様に見えたが
それは又、幻のごとく消え去る。
まるで、それが戦争というものの正体が如く。
物語の終盤、ドイツの無条件降伏の調印式での
お偉いさん達は敵味方とも間抜けな人間として描かれる。
一握りの愚かものが戦争を起こしたかの様に。
一握りの愚かものが戦争を起こしたかの様に。
ラストにヒットラーの様な奴がインタビューに答え
「ヨーロッパが望んだから此の戦争が起きたのだ!」と開き直る。
まるで、国民が私を大統領に選んだのだ!とトランプが言ってる様だ。
主人公は呟く
「いつの時代でも”ホワイトタイガー”は現れる・・・」
主人公は呟く
「いつの時代でも”ホワイトタイガー”は現れる・・・」
監督は彼の歴史感を伝えたかったのだ。
此の作品、アカデミー外国映画賞にノミネートされたが
ファイナルには残らなかったと。
まあ、それは米国アカデミーに此のアイロニーに満ちた
パラドックスは到底、理解できないだろう。
まあ、それは米国アカデミーに此のアイロニーに満ちた
パラドックスは到底、理解できないだろう。
”ホワイトタイガー”という戦車に”寓意”を持たせ
戦争をダーク・ファンタジーと捉えた
ロシアのカレン・シャフナザーロフ監督、なかなかヤルではないか!
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