2016年6月23日木曜日

映画音楽で印象的に使われたアコーディオンを想い出してみた。
イタリア映画音楽の巨匠ニーノ・ロータは
ルキノ・ヴィスコンテイの「若者のすべて」(1960)で
アラン・ドロン兄弟の故郷のテーマに
アコーディオンのメロディをくり返し使っている。
それは後に、コッポラの「ゴッドファーザー」(1972)
フェリーニの「アマルコルド」(1973)でも同じ様に。
彼にとって郷愁を表現するのに好きな音色だったのだろう。

「アメリ」でブレイクした鬼才ジャン=ピエール・ジュネは
フランス人だから”パリ・ミュゼット”を
当たり前の様に、よく使うが
此の「デリカテッセン」(1991)は彼のデビュー作として
その匂いがアコーディオンにブラックなユーモアを
出させていた。
作曲はカルロス・ダレッシオ。彼は寡作で他には
あのデュラスの監督した映画「インディア・ソング」(1985)
スイスのダニエル・シュミットの「ヘカテ」(1983)と
渋い作品にスコアを提供している。

少年院出身で脱走や脱獄をやらせたら天下一品の俳優
スティーブ・マックイーンの代表作の1つ「パピオン」(1973)に
ジュリー・ゴールド・スミスが付けた音楽は
その年のアカデミー作曲賞こそ逃したものの
その甘さと哀愁のあるメロディーが今でも人々に愛され
映画音楽の名曲としてコンサートで度々取り上げられている。

日本を代表する作曲家・武満徹が
勅使河原宏の此の映画「他人の顔」 (1966)に
付けた音楽は、アコーディオンの伴奏で
当時モデルだった前田美波里にドイツ語で歌わせたもの。
ビアホールの場面だから自然と言えば自然だったが
当時は、その斬新さにド肝を抜かれたものだ。

それぞれジャケットか、ポスターをクリックすれば
音楽が聴けます。

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