2013年1月21日月曜日

(日本映画・デブ優編)
岸井 明(1910~1965)
今の芸能界にもデブを売り物にしているタレントが居るが
殆どは見かけだけで、彼らは何の芸も無い。
しかし昔のデブの俳優には芸が有った。
此の岸井明だが、日大相撲部在学中に日活京都の映画界入り
古川ロッパと組み様々な喜劇映画に出演する傍ら
「ダイナ」「タバコ屋の娘」と得意の歌をレコーディングしている。
そのエンタテイメントぶりは昭和28年のNHKの紅白歌合戦に出場
巨漢にもかかわらず軽快な身のこなしを披露した。
私には「エノケンの孫悟空」で先に登場した
中村是好の沙悟浄とともに彼の猪八戒が記憶にある。

千葉信男(不明)
彼の経歴は定かでないし写真が不鮮明で申し訳ないが
映画デブーいや、もとい映画デビューが1953年の「次郎長三国志」
三木のり平での「孫悟空」で猪八戒を演じた彼も忘れがたい。
肥満具合は岸井明以上、登場しただけで情けなそうな表情が
日本の喜劇映画には欠かせない存在だった。
一番印象の強いのは黒澤明の「赤ひげ」の
動けないほど太った殿様役だろう。
最後の作品は1966年の「喜劇・駅前競馬」
およそ13年間と俳優生活は短い。

市村俊幸(1920〜1983)
”ブーちゃん”の愛称で親しまれた彼はピアニストだった。
南里文雄とホットペッパーズで活躍した後
黒澤明の「生きる」のピアニスト役で脚光を浴びた。
同じジャズ畑から俳優に成ったフランキー堺とのコンビで
沢山の映画に出演した。
上の写真は「フランキー・ブーチャンの嗚呼軍艦旗」
私には川島雄三の「幕末太陽伝」のラストで田舎大尽役の彼が
フランキーに「お前、悪りい咳してんな、気い付けろ!」の
台詞が懐かしい。
こうして記憶にあるデブ俳優3人を並べてみたが、
皆、肥満ゆえの短命、それが又、惜しまれる。



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